Brahms ピアノ四重奏曲第2番イ長調 作品26
(デレク・ハン(p)/ファウスト(v)/ジュランナ(va)/ミュニエール(vc))


Brilliant Classics BRL93554 /60枚組総経費込4,200円ほど  Brahms

ピアノ四重奏曲第2番イ長調 作品26

デレク・ハン(p)/イザベル・ファウスト(v)/ブルーノ・ジュランナ(va)/アラン・ミュニエール(vc)

1996年録音 Brilliant Classics BRL93554/11  60枚組総経費込4,200円ほどで入手

 2010年末、既存所有ダブりおおよそ20枚ほどをオークション処分出来、ボックス60枚を再入手いたしました。プラケースというのは(特に経費節減故?薄くなってから、いっそう)キライになりました。スリムでエコな紙パック、エエですね。似非金満中年がこうして”オトナ買い”を続けるのは、子供の頃の高価LP贅沢品!の感触が一生抜けないから=他人(ひと)はそれをビンボー症と呼ぶ(かも)。倦まず弛まず「音楽日誌」そして定例サイト更新を続けているが、ここ最近安易なメジャー路線を走っていないか?反省しきりであります。

 LP時代、ルービンシュタインのBEAHMS ピアノ協奏曲第1/2番2枚組を愛聴しておりました。前者はライスドルフ/ボストン交響楽団のバック(現在入手困難と思われる/出回っているのはフリッツ・ライナーとの1954年録音)、後者はヨゼフ・クリップス/RCAヴィクター交響楽団、それも含めて9枚組ボックスが激安出現いたしました。小品集は涙が出るほど絶品!だし、(当時若手だった)グアルネリ弦楽四重奏団との室内楽もFMで聴いて、ひときわ感銘深かった記憶有〜このピアノ四重奏曲第2番イ長調は1967年録音。50分弱という中途半端な所用時間だから、CD一枚だとちょっと余裕ありすぎ、デレク・ハン盤もそうなんだけど、これ一曲のみ贅沢収録となります。これが、どーも昔日の感動が蘇らない。

 これも似非金満中年の贅沢病か?音質が気に喰わんのです(貧者のオーディオ環境棚に上げ)。御大ルービンシュタインともかく、弦の表情が少々硬いし、前面に出すぎて奥行きが足りない。全体として、優雅な作品には表現がちょっぴり大柄過ぎかも〜それを癒して下さったのが、デレク・ハン(p)を中心とするこの一枚。アラン・ミュニエール(ムニエ)は初耳ながら、他3人は各々ソロとして活躍はご存じの通り。瑞々しい音質+モダーンかつ爽やか自然体スタイルに、すっかりココロ奪われたものです。まるで交響曲のようなスケールを感じさせる名曲だけど、いかにも親密な室内楽表現也。

 第1楽章「アレグロ」といっても、いきなり緩徐楽章風ゆったり悠々と歌って、ちょうど交響曲第2番ニ長調穏健第1楽章とテイストが似ております。短いシンプルな動機が繰り返され、発展していくところもいつもと同様でしょう。落ち着いた微笑みに溢れて安寧の15分間(ルービンシュタイン盤より2分ほど長い=遅い)。第2楽章「アダージョ」はほんまの緩徐楽章であって、静謐ながら情感が揺れ動くような(時に激情に走った)美しい旋律が、ピアノと弦の緊密な対話で実現されております。

 第3楽章「スケルツォ」〜ユーモラスな短い主題が繰り返され、楽しげなリズムに彩られました。第2楽章以降はテンポやや速め、さっぱりとした風情は颯爽とデリケートなんです。この楽章に至っては、ほとんど小声でナイショ話を囁くよう。こうしてみるとルービンシュタイン盤はちょっと大仰だったな。終楽章「アレグロ」も同様の繊細さ。この軽快なるリズム感は世代/時代なんでしょう。薄味でキレが良いというのは、食品だけではないヘルシー指向か。少々重苦しくも鬱陶しい、親父の後ろ姿寂寥とはかなり異なる、新時代の表現でしょう。長大なる作品を最後まで聴いて疲れません。

(2011年2月11日)

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written by wabisuke hayashi