Brahms 交響曲第3番ヘ長調/セレナード第2番イ長調
(イヴァン・フィッシャー/ブダペスト・フェスティヴァル管弦楽団)


CCSSA43821 Brahms

交響曲第3番ヘ長調
セレナード第2番イ長調

イヴァン・フィッシャー/ブダペスト・フェスティヴァル管弦楽団

Channel CCSSA43821 2020年録音

 日本ではあまり話題とならなかったIvan Fischer(1951-洪牙利)の交響曲全集。これは伝統的にオーソドックスなスタイルによる緻密なアンサンブル、ハデさのないサウンドと音質がしみじみ、落ち着いた風情が素晴らしい記録でした。音録りの思想がちょっと個性的、自然な感じ。不遜にも少々食傷気味だった名曲を久々に新鮮に受け止めました。

 交響曲第3番ヘ長調は1883年初演は大成功(ハンス・リヒター/ウィーン・フィル)。現在4曲中もっとも人気がない?ほんまですか。大好きですよ、とくに第3楽章「Poco allegretto」の甘い愛の歌辺り。例のごとく古典的二管編成+ティンパニなのに、とっても立派に響き渡るBrahmsのマジックを堪能できました。
 第1楽章「Allegro con brio - Un poco sostenuto」きゅーっと弓を引き絞って飛び出すように躍動する始まりから、要らぬ力みやメタリックな鋭さを感じさせぬ、木管も金管もジミだけど落ち着いた響きが快いもの。牧歌的なテイストだけど、スタイルはモダーンに重心低く熱を加えました。提示部繰り返し有。(13:43)
 第2楽章「Andante」クラリネットとファゴットのシンプルな動機が、自在に発展していくBarhmsのマジック。あくまで質実なサウンドが続きます。次が緩徐楽章だろうだから、ここは?メヌエットでもスケルツォでもない、交響曲としては異例の配置でしょうか。静かな愉悦を感じさせるところ。(8:29)
 第3楽章「Poco allegretto」チェロと木管による、この作品中最高の甘美な白眉、Brahmsのメロディ・メーカーとしての才能爆発。甘さや詠嘆を強調しない、デリケートに淡々と抑制された表現、ここの金管はホルン2本だけなんだそう。そのホルンもあまり突出しません。(6:40)
 第4楽章「Allegro - Un poco sostenuto」ファゴットが低い音で第1主題を提示、それがエネルギーを蓄えて発展していく例のBrahmsのパターン。第2主題はチェロとホルンが端正に歌って、いずれ華やかさのない音色の楽器を使用して激情は高まります。響きはあくまで質実に素朴さを失わぬもの。そして静かに第1楽章を回帰して静かに収束・・・ば〜んとデーハーに終わらぬところが不人気の要因のひとつだとか。(8:32)

 セレナード第2番イ長調の初演は1860年。編成はピッコロ、フルート2/オーボエ2/クラリネット2/ファゴット2/ホルン2、そしてヴァイオリンを欠く弦楽合奏という特異なもの。ヴァイオリンがなければ当然、響きはますますジミに渋くなるもの。
 「Allegro moderato」諄々と落ち着いた牧歌的風情。オーケストラのサウンドは木質を感じさせました。(8:20)
 「Scherzo: Vivace」軽妙なシズムを刻むスケルツォも素朴な3/4拍子、愉快な田舎の田園情景風(2:58)
 「Adagio non troppo」寂しげな緩徐楽章はシミジミ落ち着いて、トリオは不安げな陰りにホルンが雄弁でした。パッサカリアなんだそう。(8:04)
 「Quasi menuetto and Trio」ゆったりとしたリズムに揺れる、どこか寂しげなメヌエット。(4:55)
 「Rondo: Allegro」快活なフィナーレもセレナーデという華やかさとは無縁の落ち着きを感じさせました。(6:32)

(2026年4月4日)

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written by wabisuke hayashi