Brahms 交響曲第1番ハ短調 作品68
(レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック)
Brahms
交響曲第1番ハ短調 作品68(1960年)
大学祝典序曲 作品80(1963年)
レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック
CLASSICSSELECTION 12(CBS音源の海賊盤) 中古420円(HARD・OFFにて)
相変わらず、こんなCD見掛けたら買っております。駅売海賊盤の「名曲全集」シリーズなんだろうが、ジャケットは名画のみで曲名表記さえなし・・・どころか、背表紙には「ベラームス」と!〜中国辺りで印刷したのかな?ウィーン・フィルとの全集は有名(残念ながら未聴)だけど、ニューヨーク・フィルとの旧録音は話題にもならないし、だいたいCD売ってませんから。許してください。
この作品、日本で最高人気のひとつらしいが、ワタシは少々苦手なんです。深刻で立派で、勇壮で大仰で・・・そうだな、ワルター/ウィーン・フィル(1937年)のがあったでしょ?あれだったら好ましかったな、優しくて、良く歌って。じゃ、我らがバーンスタイン42歳壮年の気力溢れる録音や如何。
骨太でぽってり明るく、豊かなニューヨーク・フィルの響き。賑々しく、粘着質であり、情熱的な推進力たっぷりだけれどコシが落ち着かない。この曲に期待されるいかにも独墺風(って、安直なる先入観か)方向とは、そうとうに違いがありますね。速いテンポの第1楽章は、あちこち優しい表情を交えて緩急多彩、基本は全速前進系のアツき若さ横溢!的世界でございます。ほの暗い独逸の森の奥深く・・・みたいなものを想像されると期待外れ、というか、求めるものが根本から違うんです。
第2楽章「アンダンテ・ソステヌート」は、まるでMahler 風陶酔。それは晩年、耽溺して思い切って旋律を引きずるようなものではなく、感興の赴くまま表現されストレートな官能的味わいがあります。木管は少々素っ気ないように思えるし、全体として”渋さ”みたいなものとは無縁だけれど、とんでも勘違い演奏ではない。第3楽章「ポコ・アレグレット」には、浮き立つような楽しさを感じました。優しい表情、流れも自然。
終楽章。いや、もうこれは期待通りでしょう。じっくり、勇壮に、静かに始まって、やがて、叩き付けるような大爆発連続攻撃で聴き手全滅状態!やや粗いアンサブルなんのその!(ハナっからそんなこと狙ってまへんで)「喜びの歌」風主題は、思い入れタップリゆっくりと歌われ、あちこちテンポの揺れ頻出。(ワザとらしいですか?)明るく、幸せ、元気な演奏は時代の証言なんでしょう。旧き良きアメリカ。ヴェトナム戦争の泥沼・敗北を経験する前の、心身共に豊饒なる新世界からの情熱メッセージよ、永遠に。
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数年後録音の「大学祝典序曲」の方向も変わりませんね。作品的にこちらの方が、もっと違和感なく「学生はんの馬鹿騒ぎ」みたいな雰囲気が素直に受け止められます。元気が良くて、青春ってひたすら素晴らしい。バーンスタインの録音は系統的に復活しないものでしょうか。SONYはん、なんとかして下され。 (2005年2月4日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
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