Bloch 合奏協奏曲第1番/Barber アダージョ/
Grieg ホルベアの時代より/Puccini 菊
(ヨアフ・タルミ/イスラエル室内管弦楽団)


Chandos CHAN8593 Bloch

合奏協奏曲第1番(弦楽とピアノ・オブリガートのための)

Barber

弦楽のためのアダージョ

Grieg

組曲「ホルベアの時代より」作品40

Puccini

「菊」嬰ハ短調

ヨアフ・タルミ/イスラエル室内管弦楽団

Chandos CHAN8593 1987年録音

 これはロンドンでの録音らしいから、演奏旅行で話題になって録音につながったのでしょうか。Yoav Talmi(1943-以色列)は来日もしているけれど、やや地味な存在かもしれません。一時、サンディエゴ交響楽団との「幻想交響楽団」(1995年)が話題になっておりました。(解散したあと再建なったらしい)Israel Chamber Orchestraは1965年創立の室内オケらしい。演目趣旨は「擬バロック」かな。なかなかマニアックに美しい作品ばかり。イスラエル室内管弦楽団は整って集中力を感じさせるアンサンブルでした。

 メインはErnest Bloch(1880-1959瑞西→亜米利加)。「シェロモ」が有名かな?(そうでもないか)新古典的な作風とのこと。ここでも晦渋難解な不協和音皆無、やや重暗いけど美しい合奏協奏曲第1番(1924-25年)は「Prelude」(前奏曲)Allegro energico e pesanteー「Dirge」(哀悼歌)Andante moderato-「Pastorale and Rustics Dance」(田園風景と素朴な踊り)Assai lento - Allegro-「Fugue」(フーガ)Allegroからなる23-4分程の作品。題名だけ見てもいかにもバロック風。

 ピアノは通奏低音風に非ず、控えめなピアノ協奏曲っぽいアクセント。「Prelude」はわかりやすく、ちょいと和風に劇的な旋律(3:13)「Dirge」は優しく切なく、弦が静かな怒りを湛えてに延々と歌います。(7:55)「Pastorale and Rustics Dance」は題名通り安寧と憧憬の風景が浮かぶ繊細なところ。「素朴な踊り」は軽快に優しく懐かしさいっぱいに溢れます。(7:12)ラスト「Fugue」はほんのり暗いリリカル・シンプルな主題がわかりやすく追いかけるもの、ピアノもその一端を担って効果的。やがて明るく雰囲気は変化して熱気を帯びて大団円、これは時代を考えるとほんまに保守的、わかりやすい風情でしょう。名曲。(5:53)

 誰でも知っているBarberの「アダージョ」。作曲者はこれが有名になりすぎて、頻繁に葬式に使われるのを嫌ったとか。そして彼の葬式にはこの作品が流された・・・とは抱腹絶倒の逸話ですよ。それくらい「哀愁・追悼」のイメージ濃厚な佳曲。もともとは弦楽四重奏の一部らしいから全曲拝聴の機会を伺って、未だ叶わず。(7:59)Grieg「ホルベアの時代より」はメロディ・メーカーとしての面目躍如、溌剌と青春の息吹が吹き上げるような名曲中の名曲!リズム感が重要+ニュアンス豊かな各楽章描き分けに、アンサンブルの真価を問われます。あるときは涼やかに、あるときには涙に切ない浪漫風情味付けのバロック音楽最高。(2:55-4:27-3:26-6:50-4:10)

 多くの人に知ってほしいPucciniの隠れ名曲「菊」(Andante Mesto)。Barberに勝るとも劣らぬ葬式に相応しい哀しみに充ちた劇的旋律です。Mahlerの「Adagietto」に思いっきり大衆的「お涙頂戴」エッセンスを加えた風情か。美しい弦楽アンサンブルを締めくくるに相応しい名曲でした。(7:50)

(2019年2月3日)

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written by wabisuke hayashi