Schubert 交響曲第9番ハ長調(ブレッヒ/RIAS交響楽団)Schubert 交響曲第9番ハ長調(1950年録音) ブレッヒ/RIAS交響楽団 Verdi
歌劇「シチリア島夕べの祈り」序曲 Wagner 歌劇「リエンツィ」序曲(以上1952年録音) ブレッヒ/ベルリン放送交響楽団(以上ティタニア・パラスト・ライヴ) ARKADIA CDGI715.1 200円で購入 レオ・ブレッヒは、クライスラーの協奏曲録音の伴奏でしか知らないので、こうした録音が残っているのは意外な感じがしたものです。1871年〜1958年まで生存したドイツの指揮者。意外と長命だったのに録音が少ないのは、やはり第2次世界大戦中ナチスの迫害を逃れて国外を転々としたせいでしょうか。これは、戦後ドイツに復帰した後の録音。 音質的にはかなり上々で、鑑賞に問題ありません。売れ残り在庫処分の200円。(もってけ泥棒)このCD、けっこう楽しめます。オーケストラの技量はまぁまぁだけれど、洗練されてなくてローカル風。指揮ぶりには一癖も二癖もあって、「素直で聴きやすい音楽」じゃないんですよ。19世紀後半を彷彿とさせる濃厚で恣意的、表現主義的なオーバー・アクション。最近では見られない個性を存分に発揮します。 そのクドくも念の入った、ここかしこのテンポの揺れはメンゲルベルクに近い。但し、彼ほどの説得力には欠けて(これはオーケストラの違いもあるのでしょうか)わざとらしさに反発する人もいると思います。「ハ長調交響曲は、フツウに演奏しちゃ冗漫になるんだよ」と言いたげな念入りで濃い味付け、嫌らしいくらいの取り澄ましたポーズ。 これ、絶対お勧めです。好き・嫌いを越えて、論議沸騰間違いなし。ブレッヒってこんな人だったんですね。ワタシはここ最近この曲に飽き気味でしたので、新鮮でした。ぜひこのCDを探して、論議に参加していただきたいもの。 ヴェルディはドイツ系の人とはいえ、さすがオペラ・ハウスの専門家、怒濤の迫力(低音の重量感はさすが)と勢いが、並じゃなくて素晴らしい。歌心も芯もあって、本場イタリアのヘロっとしたオーケストラとは桁が違います。ここでもやはり表現が大柄で、歌舞伎の大見得バリの表現。 「リエンツィ」では自信を持った、雰囲気タップリの表現も楽しめます。わざとらしさ限りないが、おもしろさも無限。「これでもかっ」とばかりに叩きつけるような力強さと、高らかな金管の刺すような鋭さの同居。ノリノリで圧倒的なラスト。見た目より、味付けとボリュームで勝負、といった演奏です。もしかして、このCD中もっとも楽しめるかも。(2001年3月18日)
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