Bernstein交響曲第1番「エレミア」
(レナード・バーンスタイン/セントルイス交響楽団1945年)
Ravel
ピアノ協奏曲ト長調
バーンスタイン(p)/フィルハーモニア管弦楽団(1946年)
Bernstein
交響曲第1番「エレミア」
メリマン(s)/レナード・バーンスタイン/セントルイス交響楽団(1945年)
ファクシミリ(舞踏的随筆)
シドニー・フォスター(p)/バーンスタイン/RCAヴィクター交響楽団(1947年)
HISTORY 204571-308 The 20th Century Maestros 40枚組5,990円のウチの一枚
1960年代後半に、本場ヨーロッパへと進出したバーンスタイン。ほんの最近だけれど、当時は「アメリカ人ごときが・・・」みたいなのがあったみたいです。ましてや、日本人、アジア人なんて・・・・・と、小澤のウィーンでの活躍や、チョン・ミュンフンを見るとやはり21世紀なんだなぁ、とある意味感慨深いもの。先人達の努力があって、ここまでの現在がある。
晩年は圧倒的な人気と、巨匠としてのの評価を勝ち得たバーンスタインも、こんな若い頃の録音があったんですね。彼は1918年の生まれだから、当時27歳でしょ。まだ第2次世界大戦中から終戦直後の頃。でも、音質(わりと良好だけれど)以外はそう古臭い感じはしませんでした。新鮮で楽しめる演奏。彼はむかしから熱血漢だったんです。
バーンスタインはピアノの弾き振りが上手くて、たくさん録音が残っていますね。ワタシはガーシュウィンとショスタコヴィッチ以外は、あまり好きな演奏ではありません。(全部聴いているわけではないが)彼がフィルハーモニア管と共演していたとは知りませんでしたが、もの凄くイキイキしていて、キラキラ輝くようなピアノ。
もともとラヴェルがジャズを意識して書いた作品らしいから、体質に合っていたんでしょうか。前途洋々たる若者の才能が眼前に浮かぶような演奏ぶり。後年に比べればピアノの線が繊細(に聴こえる?録音の加減か)で、フィルハーモニア管の明快な響きとよくマッチしておりました。
作曲家としてのBernsteinは、それなりにCDも出ていて聴く機会は多いものです。「エレミア」は24歳の時の作品だそうで、これは初演辺りの録音でしょうか。1961年の録音は、威圧感もあって少々重苦しい印象もありました。ここでのセントルイス響は優秀なアンサンブルで、熱気と意欲溢れる演奏ぶり。21分ほどの作品。
不安さを引きずるような第1楽章「予言」、エネルギーに満ち、躍動的な第2楽章「神聖を汚すもの」、なんのことやら歌詞の意味が分からないが、知的なソプラノが活躍する第3楽章「哀歌」。(あとで知ったが、これヘブライ語で旧約聖書の「エレミア哀歌」とのこと。なかなか理解できる人は少ないでしょう)
現代音楽にありがちの晦渋さはなく、どちらというと暗い音楽を、わかりやすく表現してくれて楽しめます。終楽章の美しい旋律は、後の名作「ウェスト・サイド・ストーリー」にも通じるかも。これはもっと演奏機会があってもよい、なかなかの作品なんです。
「ファクシミリ」って、この当時いわゆる「ファクシミリ」ってあったんでしょうか。それとも原義通りの「複写、模写」という意味ですか?ま、バレエ音楽なんでしょう。コミカルで断片的、ユーモラスな旋律が連続。ペトルーシュカのようなワルツもあり、ピアノの活躍もそれを連想させますが、時代の違いか旋律には不安な印象がつきまとう。ヴァイオリン・ソロは甘く、やがていつもの軽快なリズムに乗って、熱気が爆発しました。(2001年9月7日)
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