Berlioz 幻想交響曲
(シャルル・ミュンシュ/ボストン交響楽団1954年)


RCA BVCC38431 Berlioz

幻想交響曲

シャルル・ミュンシュ/ボストン交響楽団

(写真は)RCA BVCC38431 1954年録音

 親父が亡くなって【♪ KechiKechi Classics ♪】定例更新を一週間否応なくすっ飛ばしました。誰がどのくらい見てくださっているのか?もしかしてGoogle自動情報収集のみかも知れない場末のサイト更新は、自分の生活のリズム、ケジメであります。ここ最近CD拝聴機会が少なくなって、この「幻想交響曲」だって.mp3/320bpsデータ、音質云々論議に参加資格はありません。ここ最近大昔、自分がLPを諦めてCDを入手し始めた頃(1990年代前半)懐かしいのを取り出して、例えば往年のウィルヘルム・バックハウス(p)(Wilhelm Backhaus, 1884ー 1969)によるSchubert、Mndelssohnのソロを久々に聴いて愕然!音色、表現とも美しく感じないことに驚いたものです。彼(か)の感銘はカンチガイだったのか、それとも自分の耳(ノーミソ)が変わってしまったのか。

 Charles Munch(1891ー1968仏蘭西)の「幻想」は幾種あるのか?いずれオールド・ファンには鉄板でしょう。徒に昔を懐かしむのは華麗なる加齢症状だけど、二世代前辺り唯一無二の個性が全世界各地で横溢していたのは、時代がローカルだったから。演奏者歌い手指揮者ともお気軽にあちこち移動できなかった時代、リアルタイムな放送やら記録、ましてやネットなどある得ぬ時代に熟成された個性だったのでしょう。お仕事の合理化マニュアル化は必須、それだってプラスアルファの”魂”は必要でっせ、ましてや音楽そのものに”合理化マニュアル化”(その周辺事務さておき)平準化されたらオモロない元も子もない・・・閑話休題(それはさておき)

 音質云々論議に参加資格がないこと(貧者のオーディオ)は前提として、ま、1954年だったらほとんど驚異的な水準、さすがRCA!フリッツ・ライナーの「英雄の生涯」「ツァラトゥストラ」と同時期、おそらく高価高級オーディオ仕様だったらもっと凄いのでしょう。久々の拝聴に驚かされました。

 幾度も書いたけどMy”幻想”好みは、繰り返し有。第2楽章「舞踏会」にコルネット入りが希望、残念ミュンシュには当てはまりません。タイムは13:22-06:11-13:55-04:32-08:45だから繰り返しを勘案しても速めのテンポ、それだけで音楽の価値は決まらんけど、シャルル・ミュンシュっていつも全身全霊全力投球!心臓に悪いよ!的情熱爆発イメージ有。第1楽章「夢、情熱」はいきなりのフル・スロットル、まさに情熱に充ち溢れて怒涛の推進力、興奮に揺れ動く情感、一気呵成の開始であります。オケは鳴り切ってテンションMax!おそらくは”アンサンブルの緻密さ、縦線云々”される方はいらっしゃるでしょう。でも、そんなコメントはこの魅惑の熱狂になんの意味もないでしょう。

 第2楽章「舞踏会」もウキウキするような躍動が続きます。これは速めのテンポとかなんとかに非ず、綺羅びやかに華やかな舞踏会の情景が眼前に浮かぶんです。自在なテンポの揺れ動きはまるで呼吸をするように効果的、ラストのアッチェレランドに最高潮を迎えます。コリン・デイヴィスも大好きだけど、こんな楽しい「舞踏会」は他に聴いたことはない。

 第3楽章「野の風景」って、凡百に流したような演奏に油断すると、時に眠気を呼ぶような緩徐楽章。ここでは音量が低い部分でも、浮き立つように前のめりな熱気が底流を貫きます。テンポが速いのはその結果でしょう。寄せては返すように千変万化する心情は色彩豊かに、デリケートに、力強く表現されます。そして期待の第4楽章「断頭台への行進」。ここまで来ると特別にテンポが速いとか、大爆発とは感じなくて、期待通りの帰結かと。むしろあっさりとした印象かも。繰り返しなしはいかにもミュンシュらしい、さっさと首切ってちょうだいっ、てな感じ。

 第5楽章「魔女の夜宴の夢」。ミュンシュはこちらに焦点を当てているのですね。文句なしの速いテンポ、全力渾身の力を尽くしてオケ大爆発。朗々と鳴り渡る鐘(チューブラーベルでしょう。ちゃいますか?)「怒りの日」の旋律を担当する金管(ヴィヴラートたっぷりなチューバ2本)がとてもいやらしいエッチな響き、そして体力の限り疾走する馬力のあるオケの威力、興奮熱狂怒涛の渦・・・凄いもん聴きましたよ。

(2019年3月24日)

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written by wabisuke hayashi