Beethoven ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品61
(ヨゼフ・シゲティ(v)/アンタール・ドラティ/ロンドン交響楽団)


Lily KLD-28(PHILIPSの海賊盤)中古@250 Made in Koreaですな。音質もちゃんとしております Beethoven

ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品61

ヨゼフ・シゲティ(v)/アンタール・ドラティ/ロンドン交響楽団(1961年録音)

Lily KLD-28(PHILIPSの海賊盤)Made in Korea 中古250円で購入。

 

これは好きな演奏だなぁ。LP時代からの愛聴盤だったが、CDでは入手していなかったもの。ゆったりとしたテンポは技術の衰え故だろうが、それがどうした?というくらい、高貴で誠実で、枯れた味わいが素晴らしい。ぎくしゃくした不器用なテクニックがなんと美しい。この演奏はワタシの出会いであり、”Beeやんは苦手”の数少ない例外(大好き!)の所以であります。

・・・それはエエけど、環境で選ぶクラシック名曲集「心は美人〜音楽美肌健康美容法」(知的で美しい女性になりたい貴方に)〜なんと怪しい!フツウ誰もこんなCD買わんから@250は適正価格なんです。(+Ravel 「夜想曲」〜「雲」〜アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団も収録)定価1,500円。実際その価格で購入された方も存在することでしょう。幸多かれ。(2006年6月「近況」より)

 お気に入り作品へと至るには、それに相応しい出会いがあるのでしょう。このシゲティ盤はLP処分後、FMエア・チェックで残しておりました。←かなり思い入れの強い文章ですな。遅めのテンポはシゲティ69歳の技巧の衰えをカバーする意味もあろうが、非・流麗ごつごつした表現は若い頃からのものであって、いっそう枯れたと評すべきでしょう。じっくり腰を落ち着けて、しみじみ切なく聴かせて下さいます。こんなエエ加減駅売海賊盤でも、おそるべき優秀録音。

 美音からほど遠く、訥々として既に技巧的な危うさ(そして線の細さ)は誰にでも理解できることでしょう。ワタシはメニューイン(のクセ)とは質的に違うものを感じるんです。表面を磨かない本質的な”美”、それを言っちゃお仕舞いよ的”高邁なる精神性(!)”、汚れを知らぬ静謐誠実と厳格・・・よれよれのボウイングを聴いていると、やがて胸もアツくなってくる第1楽章・・・これは毎度、何度聴いても同じ感動であります。カンデツァはBusoni。

 ここ数年の緩徐楽章嗜好とも相まって、第2楽章「ラルゲット」は聴き手の精神を沈静化させる説得力有。まさに天国的安らぎ、神々しい輝きに溢れた変奏曲であります。同じ繰り返しだが、これを美しいと感じ取れない音楽愛好家がいるのでしょうか。ワタシは陶然となってしまいました。

 ここまで到達すれば、たどたどしい、少々弱々しい終楽章旋律パッセージにも違和感はないはず。技術的にスムース、豊満な美音が耳当たり良いに決まっているが、それを凌駕する”何か”が、たしかに存在します。それは”精神性”なのか。彼のBach を聴いたときにも同様の手応えがあったものです。

 ドラティのバックは特筆すべき充実を誇ります。シゲティのテンポをしっかり支えて、ニュアンス配慮行き届いて、ソロとのバランスも最高。稀代の名曲故、表現の方向は数多く存在するだろうが、音質含めヴェリ・ベストの確信を持ちました。

(蛇足だが、アンセルメの「雲」も音質演奏ともに立派なものだが、あまりに違和感収録也)

(2008年9月26日)

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written by wabisuke hayashi