Beethoven ピアノ協奏曲ニ長調(ヘレン・シュナーベル(p)/
チャールズ・アドラー/ウィーン・コンツェルトフェライン管弦楽団)


NMLにて http://ml.naxos.jp/album/9.80281 Beethoven

ピアノ協奏曲ニ長調 作品61a(ヴァイオリン協奏曲からの編曲)

ヘレン・シュナーベル(p)/チャールズ・アドラー/ウィーン・コンツェルトフェライン管弦楽団(1954年)

NMLにて拝聴

 CDが激安になってしまって、”オトナ買い”して、まともに、ちゃんと音楽を聴けていない。しかも、オークションにて激安出品してそれなりに売れると財源もできます。なんか悪循環だな・・・Beethoven の珍しい作品も収録した87枚組は購入数年、半分も聴けていない(交響曲などハナっから聴く気はない)けれど、時に応じ、珍しい作品の確認に使用しております。百科事典(死語?)を隅々まで熟読しないのに似ておりますか?閑話休題(それはさておき)・・・ワタシが(珍しく)お気に入りの「ピアノ協奏曲ニ長調」が収録されないのはなんたること。ちゃんとした作曲者自身による編曲版だし、かつてはバレンボイム(1973年)、ピーター・ゼルキン(1969年/小澤征爾の指揮)のレコードがあったんだけどな。最近人気ないのか。ピアノ版カンデツァ(ティンパニを伴う)をヴァイオリンに流用したシュナイダーハンの録音もありました。(件の87枚組に含まれるクリスチャン・テツラフの演奏もそうだ)

 ヘレン・シュナーベル(1911-1974)って、著名なるアルトゥールの息子カール・ウィルリヒの奥様らしい。この作品のウィーン初演をしていて、その辺りの音源と推察いたします。アドラー(1889-1959)にはけっこう大曲の録音が残っているけれど、オケの実態は不明です。ウィーン交響楽団なのか、それともトンキュンストラー管なのか。当然時代的にモノラルながら音質かなり良好であります。テンポ設定はゆっくりで、全曲で43分掛かります。

 印象的なティンパニの4つの音から開始され、ヴァイオリンの優雅な旋律はすべてピアノ流麗なアルペジオに置き換えられ、静謐な美しさ、説得力そのまま。別作品からのムリムリな編曲?みたいな違和感皆無、ぼんやり聴いていれば馴染みの旋律が、そのままするすると耳に飛び込みます。一般にBeeやんのピアノ協奏曲はリズムが強靱で好きじゃないんだけれど、こんな諄々と説得するような優しさだったら、こころ安らかに旋律の集中できます。ヘレンのピアノ、オケも特筆するような艶やかな響きではないんだけれど、とつとつと着実ていねいに歩みを進めて、急がない第1楽章。

 Beethoven はヴァイオリン協奏曲ニ長調のカデンツァを書いていなくて、ピアノ版カンデツァのみが自作。華やかに音階が上下し、ティンパニがそれに呼応するんです。ちょっと革新的な味わい。

 第2楽章「ラルゲット」。泣けるような懐かしい弦の入り+ホルンの呼応はいつも通り、それに充ち導かれるのは繊細なるピアノの呟(つぶや)きでした。オケの響きは小編成なのかやや薄く、濁るのは音質問題もあるのでしょう。テンポはいっそうゆったりとして、ひとつひとつの音を大切に紡いでいくピアノ、そして短い、激しい慟哭(全曲中ここだけじゃないか?)を経て、そのまま終楽章へ〜

 終楽章「ロンド・アレグロ」。ここは軽快に、可憐に歌うピアノが、豪快な管弦楽に包まれて味わい深い。その呼応は他のピアノ協奏曲よりずっと明るく、ソフトなテイストでしょう。ややノンビリとした時代の雰囲気もピアノ版には似合っているでしょう。

(2011年1月28日)

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written by wabisuke hayashi