Beethoven 交響曲第4番 変ロ長調/第8番ヘ長調
(ヨゼフ・クリップス/ロンドン交響楽団)


Madacy TC252319  5枚組770円 Beethoven

交響曲第4番 変ロ長調 作品60
交響曲第8番ヘ長調 作品93

ヨゼフ・クリップス/ロンドン交響楽団

Madacy TC252319(米Everest原盤) 1960年録音

 この全集は情けなくも幾度CD入手処分を繰り返し←2005年の文書以降、更に正規Everest全集を処分して、やがて激安Madacy TC252319全集を再入手、それも処分して・・・パブリック・ドメインに至ったネット音源を久々に拝聴いたしました。【♪ KechiKechi Classics ♪】に幾度言及があるかワカランくらい馴染みの音源也。Josef Krips(1902ー1974)は維納出身往年の名指揮者。例の如し温和に肩の力が抜けた表現に久々痺れました。Beeやんの交響曲に以前ほどの苦手意識はなくなっても、劇的大仰な作品拝聴機会は少ないもの。古楽器演奏全盛を迎えても、若い頃の刷り込み、嗜好は変わらんもんでっせ。音質も、ロンドン交響楽団(ピエール・モントゥー就任直前、シェフ不在時代)も好調です。

 カルロス・クライバー(1982年)以来いっそう人気が出た?交響曲第4番 変ロ長調。第1楽章はほの暗く静かな夜明け前といった雰囲気の「Adagio」(序奏)から、一気呵成エネルギッシュな「Allegro vivace」へ走り出すところがカッコ良い!リズムは溌剌キリリとして、柔和な表情を崩さぬクリップスの表現は軽快、微笑み浮かべたバランス感覚に溢れたもの。テンポは中庸、力づくムリムリな風情皆無、ティンパニの大きさもちょうどよろしく響きは濁らない。(11:03)第2楽章「Adagio」は付点のリズムが特徴的な緩徐楽章、ティンパニが活躍しますね。快いリズムに乗って、ここは木管の絡み合いがしみじみ美しいと思います。強弱のバランス、劇的な表情への変化も自然な流れ、ラスト辺りホルンも印象的な存在を示していおりました。(8:40)

 第3楽章「Allegro vivace」はスケルツォ。シンコペーションするリズム、木管の上下する音型がかなり革新的。牧歌的なトリオ(Un poco meno Allegro)も雄弁に過ぎず、テンポの戻し方にムリのないクリップスの名人芸であります。(5:49)第4楽章「Allegro ma non troppo」。第1主題の快速パッセージはオケの技量、指揮者の統率が問われるところ。予想通りクリップスはムリせず慌てずやや抑えたテンポ、優雅な第2主題にクリップスの個性がよう出ております。木管が美しいなぁ、この楽章も。第1主題を再現するファゴットも無事難所をクリア、賑々しくも大仰雄弁に、作品を膨らませない表現に好感を抱きました。(7:03)

 交響曲第8番ヘ長調は革新的な作品、かつての”Beeやん苦手”時代にも意外とお気に入りでした。第1楽章「Allegro vivace e con brio」は序奏なし、溌剌明快な全奏より開始。この楽章は古典的風情じゃないでしょうか。クリップスの柔和な入り具合、第2主題の優雅なワルツは彼の本領発揮でしょう。テンポは中庸。ここをあまり大仰に力んで演奏すれば、作品のユーモラスな味わいが台なし。自然に、ムリのない盛り上がりは表情晴れやかであります。ラスト静かに第1主題にて終了するのも名残惜しそう。(10:00)第2楽章「Allegretto scherzando」こそ革新的な作風、緩徐楽章に非ず。木管がシンプルなリズムを刻んで、これはほとんどHaydnじゃないっすか!Beeやんの優しい一面を見せた、新基軸の楽章であります。(4:22)

 第3楽章「Tempo di Menuetto」って、この交響曲にはスケルツォ楽章がない。ここは古典的「メヌエット」が優雅そのもの。こどもの頃カラヤン(1962年)の悠々とした個性に驚いたものだけど、あれは少々重くゴージャスに過ぎませんか?(最近聴いていないけれど)クリップスは舞曲風レントラーのように歌って清潔、トリオはホルンとクラリネットによる牧歌的テイスト最高。(5:30)第4楽章「Allegro vivace」は六連分のリズムがオモロいところ。vivace指定ではあるけれど、クリップスはあまり先を急がぬ適正中庸テンポ維持、デリケートていねいな仕上げが優雅でした。これって極東亜細亜名古屋郊外に住まうド・シロウト(=ワシ)がイメージするところの”維納風”ですか。刺激的サウンド、表現皆無。(7:32)

(2018年6月24日)

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written by wabisuke hayashi