Beethoven 交響曲第4番 変ロ長調(1953年)/
交響曲第5番ハ短調(1954年)
(ヘルベルト・カラヤン/フィルハーモニア管弦楽団)


LP時代のデザイン Beethoven

交響曲第4番 変ロ長調(1953年)
交響曲第5番ハ短調(1954年)

ヘルベルト・カラヤン/フィルハーモニア管弦楽団

ネットより入手したパブリック・ドメイン音源

 Herbert von Karajan(1908-1989墺太利)逝って既に30年余。好き嫌い超え、かつての圧倒的な存在感も世代交代、ゆったりと再度確認できる時代がやってきました。40歳代気力体力充実した頃の記録はかつて駅売海賊盤で集めたもの、当時現在よりもっとネット上での意見交換は盛んでして、”カラヤンのBeethoven、EMI録音はなかなか優秀じゃないか”、そんなご意見に対して”いえいえ”と強く反発していた自分の記憶も鮮明です。音響とは本来”部屋を鳴らすこと”と信じて、自宅環境にはオーディオを追求するのは無縁と決めて、激安環境で音楽を楽しんできました。ユーザー・レビューに音質言及を拝見して、時には真逆にご意見が分かれることを興味深く拝見しております。

 久々の拝聴は音の鮮度は上々、但し、奥行きとか豊かな中低音が少々足りない?好みではなかった、ということなのでしょう。後年二度に渡るベルリン・フィルとの全集とは異なる清潔清廉、軽快なサウンドは魅力です。こんなモノラル録音も音楽を堪能するに充分、但しいまでも好きな音ではありません。

 交響曲第4番 変ロ長調第1楽章 「AdagioーAllegro vivace 」は神妙な序奏から主部への躍動一気、これがていねいクールな仕上げ、噛みしめるように慌てないイン・テンポ。オケのコントロールに優れ、盛り上げも充分でも歩みは抑制されております。(10:57)第2楽章「Adagio」もしっとりと落ち着いた味わい。入念な色付けに非ず、後年の優雅なレガート表現の片鱗を見せつつ、淡々神妙優雅に流れを大切にして、第2主題のクラリネット、そして木管の味わいも清潔に重々しく引きずりません。(11:14)

 第3楽章「Allegro vivaceーn poco meno Allegro」はスケルツォ楽章。颯爽として力感ある躍動はユーモラス。ここはリズムやら木管のアルペジオが革新的なところ、トリオの木管は優雅そのもの。フィルハーモニア管弦楽団の名手たちの力量でしょう。(6:00)終楽章「Allegro ma non troppo」。ここも体感”速さ”を強調しない適正なテンポを感じさせるもの。16分音符による速いパッセージに咳いた印象もなく、落ち着いております。難所・ファゴットのソロも難なくクリアして、バランスを感じさせて熱狂とは遠い完成度でした。(5:58)

 誰でも知っている交響曲第5番ハ短調第1楽章「Allegro con brio」冒頭の切迫したリズムが楽章を支配して、こちら前作とはかなり様子変わって推進力が凄い。提示部繰り返し有、ホルンは思いっきりカッコ良くてデニス・ブレインでしたっけ?この緊張感、ゴリゴリとした推進力は若きカラヤン面目躍如。オケの響きは明るく清潔なもの。(7:19)第2楽章「Andante con moto」は優雅な変奏曲。表情の描き分け、語り口絶妙。美しい木管をもっと堪能したい!ここには音質にちょいと不満を感じました。(9:43)

 第3楽章「Allegro. atacca」。スケルツォねぇ、どこが諧謔なんでしょうか、この深刻な出足。ホルンの宣誓はまるで進撃の行進の始まり、これも冒頭リズムの流れなんでしょう。一転!トリオに入るとチェロとコントラバスがゴリゴリとフーガを躍動させて、ここはもっと重低音が欲しかったところ。この辺りの対比の上手さ。(4:58)アタッカで終楽章「Allegro - Presto」へ。晴れやかな表情、スケール。響きあくまで重くならず、軽快に力みのない推進力は慌てない。提示部繰り返しなしは残念。管楽器の厚み輝かしさも文句なし。引き締まった若々しい躍動、緊張感が魅力の演奏でした。この時期にしてこの音質はそう悪くないけれど、やはりこの楽章圧巻の爆発はクリアな音質で聴きたいもの。(8:58)

(2020年6月7日)

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written by wabisuke hayashi