Beethoven ピアノソナタ第28番イ長調
第29番 変ロ長調「ハンマークラヴィーア」
(マリア・グリンベルク(p))


Venezia CDVE94001 Beethoven

ピアノソナタ第28番イ長調(1963年)
ピアノソナタ第29番 変ロ長調「ハンマークラヴィーア」(1968年)

マリア・グリンベルク(p)

 Bachの平均律だったら拝聴機会は多いけれど、Beeやんのピアノ・ソナタはどうも敷居が高いと勝手に感じてしまいます。じっさいは聴けば必ず感動100%保証!とくに後期の作品は高尚なBachを連想させて知的哲学風情を感じさせます。

 Maria Grinberg(1908ー1978烏克蘭?)はずいぶんと苦労した人とか、ソヴィエット初のBeethovenのピアノ・ソナタ全集を録音した人らしい。音質はやや硬く安っぽく響くけれど、作品を堪能するのに不足はないでしょう。

 第28番イ長調イ長調ソナタは優しく落ち着いた第1楽章「Etwas lebhaft und mit der inigsten empfindung(幾分速く、そして非常に深い感情をもって)」から始まって(3:43)
 符点のリズムが上機嫌に弾む第2楽章「 Lebhaft. Marschmassig(生き生きした行進曲風に)」中間部のカノンも印象的(5:39)
 第3楽章「Langsam und sehnsuchtvoll(ゆっくりと、そして憧れに満ちて)」は暗く憂いに沈んで始まり、「Geschwinde, doch nicht zu sehr und mit Entschlossenheit(速く、しかし速すぎないように、そして断固として)」そのままフィナーレへ闊達になだれ込みました。ここは知的な構成を感じさせるところ。(10:19)盤石の技巧に重心が低い。

 巨大なる第29番 変ロ長調「ハンマークラヴィーア」には序奏なく、いきなり決然と力強い主題が提示される第1楽章「Allegro」冒頭一発ぶちかましはいかにもBeeやんらしい。雄壮に圧巻の大きさを見せつける始まり、あまりに立派な威圧感にあまり好きになれぬところ。ここはかなり粗々しいタッチでした。 (11:02)
 短い第2楽章「Scherzo. Assai vivace」は華々しく躍動して(2:56)
 第3楽章「Adagio sostenuto」は暗鬱に沈んで纏綿に延々、情緒豊かに歌うところ。ラスト劇的な盛り上がりもあって、ここはもう少々デリケートな音質が欲しいところ、タッチが硬く感じました。楽器はブリュートナー?(自信はない/16:52)
 第4楽章「Largo. Allegro risoluto」
始まりは幻想曲風?(Wikiによる)そしてフーガへ、この辺りBachを連想させる巨大かつ硬派な説得力、深遠なる感動が待っておりました。(12:36)テクニックに不足はないけれど、流麗に流さぬむしろ無骨にがっちり手応えを感じさせる演奏でした。

(2026年1月3日)

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written by wabisuke hayashi