Beethoven 交響曲第9番ニ短調「合唱付き」
(レオポルド・ストコフスキー/フィラデルフィア管弦楽団1934年)
Beethoven
交響曲第9番ニ短調「合唱付き」
レオポルド・ストコフスキー/フィラデルフィア管弦楽団/合唱団/ディヴィス(s)/カーハート(a)/ベッツ(t)/ローウェンタール(br)
HISTORY) 20.3291-HI 1934年録音 10枚組3,350円で購入したウチの一枚
2009年初頭、21世紀に買い貯めた歴史的音源の過半を処分いたしました。基本は音楽はできるだけ良い音質条件で聴くべき、ということと、聴くべき音源を厳選精査する、といった趣旨であります。ま、あまり深刻真剣に考えてオークション出品を選定したワケじゃありません。この音源も(おそらく)8年ぶりくらいに聴いたもの。未だ我が棚中に生き残っておりました。
残念ながらワタシはBeeやんの佳き聴き手ではないし、「第九」に特別なる思い入れはない。ま、小学生以来のお付き合いですから。歴史的録音に向き不向きな作品というのはありまして、フルトヴェングラーの1942年録音は、貧しい音質の混沌の中から、恐るべき迫力が感じられると思います。ストコフスキーは嫌いな指揮者じゃないが、1934年あまりよろしくない音質でムリして聴くべきものでもないかな、と思いつつ拝聴いたしました。
第1楽章は音質がよろしくなく、Historyの復刻はあまり芳しくありませんね。音質印象か、聴き手が耳慣れていないせいか、”宇宙よりなにやら神秘なものが降り注ぐ”魅力を感じ取れません。オーケストラの響きは明るく、楽天的であり、緊張感も厚みにも欠けます。ああ、思い出した。最初に聴いた時、ここで失望して続けて聴くのを断念したんだっけ。
ところが、第2楽章(以降)は音質一変!ティンパニのぼん!と間抜けな響きはともかく、表情に精気があり、なによりオーケストラが抜群に上手い。エエリズムじゃないか・・・と思った途端、最初のリピート部分で音がすっ飛んで先走ります。編集ミス。残念。あきまへんなぁ、いくら激安ボックスとはいえ。NAXOSの復刻で再確認しなくっちゃ。
第3楽章長大なるアダージョの変奏曲も、木管、ホルン、弦が各々なかなか美しく歌っております。いわゆる独墺系の深遠なる世界じゃないかも知れないが、日常聴きとして当時の亜米利加の(高)水準がちゃんと理解できました。
終楽章は・・・英語なんですよね。米国民へのサービスなんだろうが、違和感バリバリ。歌詞の意味が理解できるとか、そういうことじゃなくて、言語には言語の色合い、リズムがあるでしょうが。合唱団の水準も悪くないと思うが、最後まで「?」状態続きます。ストコフスキーの表現も妙に粘ったり、不自然なるテンポの揺れがワザとらしくて、素晴らしく大団円とは言えません。
第2/3楽章辺りが聴きものかな。これはストコフスキー・ファンのための記録です。
(2009年3月6日)
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