Bartok ピアノ協奏曲第2番ト長調/管弦楽のための4つの小品
(アレクシス・ワイセンベルク(p)/ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団)


RCA 独RCA LSC3159 Bartok

ピアノ協奏曲第2番ト長調(1969年)
管弦楽のための4つの小品(1970年)

アレクシス・ワイセンベルク(p)/ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団

RCA 独RCA LSC3159

 思いっきり派手で鳴りきったオーケストラ、全盛期、腕がバリバリ切れるような勢いあるピアノ、こんなわかりやすい、楽しい!ドキドキする!演奏は滅多にない・・・とは20年前の印象。うっすらとした記憶ではLP発売時に「音質がよろしくない」との評価、今回の印象では悪い音ではないけれど、ソロや管弦楽の定位が妙な印象はあって、ほとんどモノラルみたいな感じ。
 Alexis Weissenberg(1929ー2012勃牙利)はその怜悧なテクニックの切れ味で有名だったピアニスト。40歳、脂の乗り切った頃の記録。

 ピアノ協奏曲第2番ト長調は1933年初演、リズムも強烈に野蛮な魅惑の作品でした。

 第1楽章「Allegro」の伴奏には弦を欠いて管楽器と打楽器のみ、フィラデルフィアの輝かしい金管が炸裂して、キレッキレのピアノが輝かしく賑やか。トンデモ・ド・シロウト(=ワシ)のカンチガイだけれど、Bartokには旋律がなくて激しいリズムと色彩のみ、いつもそんな感慨に囚われます。ワイセンベルクには暴力性より怜悧に無機的なタッチが光りました。(9:30)

 第2楽章「Adagio - Presto -Adagio」ここは弦と打楽器のみの伴奏、静謐に妖しい緩徐楽章。弱音を極めた弦、遠く鳴り続けるティンパニも印象的に、ピアノが不気味な力感を加えます。途中のスケルツォ的な中間部は驚異の快速テクニック「左右10本の指では押さえ切れない和音があり」「両手の掌を使う必要がある」そう(Wikiより)。壮絶。ピアノは明晰にリリカルなタッチ。(12:53)

 第3楽章「Allegro molto - Presto」ティンパニから始まって、ここは全オーケストラ参加。暴力的に泥臭い旋律リズムにワイセンベルクの切れ味、フィラデルフィアの圧巻の技量が絡み合って高まる緊張感。冒頭の輝かしい金管も回帰して相変わらずティンパニは大活躍しております。こんな華やかに、わかりやすい作品だっけ?驚きの締め括りでした。(6:08)

 「4つの小品」は1912年に作曲されたピアノ作品、1921年に管弦楽化されたそう。初演はエルンスト・フォン・ドホナーニ/ブダペスト・フィル。四管編成に多種多様な打楽器、チェレスタ、ピアノ迄入る大編成。フィラデルフィア管弦楽団の強烈にデーハーな技量爆発!わかりやすい旋律の名曲でした。

 第1楽章「Preludio: Moderato」ハープとフルートが歌い交わして、メルヘンに幻想的な始まり。それは優雅な盛り上がりを見せて、ここでは暴力性の姿は見せません。(7:17)

 第2楽章「Scherzo: Allegro」狂気を孕んで暴力的な金管と、叩きつける打楽器が乱舞するところ。(6:25)

 第3楽章「Intermezzo: Moderato」妖しく重苦しい、オリエンタルに甘く、不安な歌が続きました。(4:16)

 第4楽章「Marcia funebre: Maestoso」不安が押し寄せて、重苦しい大爆発。オーケストラは鳴り切って爽快な響き、込み上げる切ない情感。ラストはなんとなく尻切れトンボみたいに終わりました。(5:04)

(2026年8月22日)

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written by wabisuke hayashi