de Falla 「恋は魔術師」「三角帽子」第2組曲
(ナヴァロ/バルセロナ市立管1992)
de Falla
「恋は魔術師」
「三角帽子」第2組曲
Ravel
ボレロ
ほか
ナヴァロ/バルセロナ市立管弦楽団
1992年5月27日 東京芸術劇場・ライヴ〜FM放送→カセットにエア・チェック→MDへ
この音源は自分でエア・チェックしたものだけど、たしかCDでも一度出ましたね。素敵なフラメンコダンサーが出ていたみたい。ここ最近、某サイト関連の音楽ばかり聴いているから、またまたde Fallaさんですよ。でも、なんか発見が多い演奏でしたね。なかなか楽しい。音質もヨロシ。
先日聴いたのが、かの有名なるブーレーズの「三角帽子」全曲版で、疑問がふたつ。
1) これほどまでに精密で、メリハリもある演奏なのに、なぜ「???」状態なのか?
2) 組曲版には、全曲盤にあるメゾ・ソプラノのソロ、カスタネット軍団の派手派手しい単独活動+「オレ、オレ、オレ!」の活動がないのか?
・・・・ということ。ナヴァロの演奏を聴くと氷解しました。納得。うむ。そーか。
バルセロナ市立管って、そんなに知名度はないとおもうし、「おクニもの」というだけで済まされるほどde FallaやRavel の音楽は甘くありまへんな。しかも、ライヴでしょ?技術的にもセンス的にも並の水準じゃ追いつきません。ところがっ!
まず、「恋は魔術師」にも「三角帽子」第2組曲にもメゾ・ソプラノの素敵なお姉さんは出てきておりません。(残念)そしてカスタネットど派手単独行動も「オレッ!」もなし。やっぱり「三角帽子」は全曲版に限りますなぁ。と、個人的にはそう思います。
肝心の演奏なんだけど、コレなんて言うんでしょ?ゆったりとしたリズムの余裕というか、タメというか、なんか肩のチカラが抜けてエエ感じなの。技術的にもの凄くキレる、というわけでもないだけれど、雰囲気があってね、気持ヨロシんですよ、とても。田舎臭いというか、安心するというか。
「恋は魔術師」は、マリリン・ホーンさんの演歌聴いちゃうと歌がないのはいかにも寂しい。オーケストラもニューヨーク・フィルよりはやや(かなり)薄いというか、なんか洗練されないのは当たり前です。でも、なんやら味があって、聴いていて楽しいですね。オーボエ・ソロのちょっとした節回しなんか、なんとも言えません。
トランペットの細かいフレーズなんかやや曖昧なんだけど、これで良いじゃないの。味があるっ、て言ってしまうと反則ワザか。「火祭りの踊り」は歴戦のヴィルティオーゾ・ピアニストの演奏に(ワタシが)慣れているせいか、ややタドタドしいか?ゆったりした旋律に、弦なんかけっこう泣きますけどね。
ラスト、チューブラーベル登場して、そこはかとなく、あんまり声高にならず終了します。そこも好感が持てます。
さて「三角帽子」〜なんやらマッタリ・ノンビリしていて、ブーレーズは神経質すぎだったのが理解できましたね。これで良いんですよ。スペインのドスケベ市長と、粉屋の美人人妻とのドタバタ喜劇でしょ?牧歌的な。木管も金管も、凄く上手い!とは思わないが、なんやら良い味だしてます。演奏的にはこちらのほうがずっと好き。
終曲、ちゃんと楽しく盛り上がってずっとカスタネット鳴ってます。但し、全曲版のようにカスタネット以外のパートはすべて休んで、数秒間盛大に鳴らし続ける(冒頭とラスト2回有)のがカットされている版なのは誠に残念。
「ボレロ」って、演奏者はとてもいやがるらしいけど、ムズかしいんでしょ?コレ、技術的な不足はまったく感じません。いかにも「クレッシェンド」、というケジメがはっきりしていて、リズム感がヨイショしていて、なかなかアツいんですよ。こりゃ、ライヴだったら聴き手はたまらん。なんやらハズむようなボレロでっせ。馬力あるオーケストラの、威圧感溢れる演奏とは一線を画します。
アンコール3曲。(4曲目テープ切れ)イ・ロレンテのサルスエラ「人騒がせな娘」〜前奏曲、ビベスのサルスエラ「フランシスキータ」〜ファン・ダンゴ。そしてラスト誰でも知っているde Falla 歌劇「はかなき人生」〜スペイン舞曲第1番。この曲、哀愁の旋律に乗ってカスタネットが鳴りっぱなしだから、きっとフラメンコ・ダンサーが踊りながら弾いていると思われます。ジ〜ンときたところで、テープが途中で終わってガックリ。(2002年12月22日)
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