Berlioz 幻想交響曲 (バルビローリ/ハレ管弦楽団)Berlioz
幻想交響曲(1959年録音) バルビローリ/ハレ管弦楽団 ROYAL CLASSICS RY6467 890円で購入 この作品、正直苦手方面だけれど、じつはたくさん手許に存在することが判明いたしました。で、少々真面目にあちこち再聴していたら、ああ、ずいぶん以前にバルビローリ盤を聴いたっけ、と思い出したもの。ま、いつもながら自分の昔の文書を見るのは恥ずかしい。 で、苦手な作品ではあるが、この演奏には感心しました。ひとつひとつの旋律にかなり入魂で、いつもの「泣き」タップリ。少々クサい「間」とか「節回し」もあって、ああ、やっぱりこんな演奏が好きだな、と、つくづく・・・・。録音もそれほど良くないし、アンサンブルも時にちょいとラフ〜だけど「ワタシ、この旋律が好きなんです」という思いが伝わってくるから嬉しくなる。 「かなり明快で、ドロドロしない演奏。オーケストラの厚みには少々欠けるものの、アンサンブルは快調、スッキリとした響きで一貫しています。この人はリズムを重くしない」(数年前のワタシ評)〜こりゃウソですね。明快、というか主張は明快だけれど、ちょいとドロドロでも良いじゃない。アンサンブルを整えることは主眼になっていないし、スッキリとは言い難いな。リズムは重くはないが、ちょいと引きずるのはいつものこと。 第2楽章のワルツは粋ですね。上機嫌でカラダを揺らせての指揮姿が目に浮かぶよう。この楽章ですね、少々クサい「間」とか「節回し」って。バルビローリなら許しちゃう。 「断頭台への行進」は、ゆったりとしたテンポで、ティンパニ(+打楽器)の強打連続バッチリ決まってます。「かなりさっぱりとしていて、むしろ軽快」〜そうかな?さっぱりじゃないでしょ、軽快・・・というか重苦しい響きではないが、かなり個性的な、叩きつけるような迫力はあります。ああ、よく仕事してくれてるね、といった感想も思わず出てしまう。 終楽章の感想に異存なし。思いっきりグロテスクな旋律を強調して歌って下さるが、下品にはならないんです。鐘には低音の響きが伴っていて、もしかしたらピアノ?(楽譜ではどちらか選択らしいが)でしょうか。じつは、インバル盤を聴いて、確認したくなった、ある意味対局の演奏か。昔の文書は以下、そのまま。(2003年7月4日)
旧PYEレーベルの録音でしょうか。この時期のバルビローリの録音量は膨大なもので、有名どころをたくさん録音しています。つぎつぎと格安でCD化されるから目が離せません。かなり旧い録音ですが、音質はそんなに悪いものじゃありません。74分収録のお徳用盤。重量感が足りなくて、腰が軽いように思えるのは録音のせいでしょうか、それともこの演奏そのものの問題? かなり明快で、ドロドロしない演奏。オーケストラの厚みには少々欠けるものの、アンサンブルは快調、スッキリとした響きで一貫しています。この人はリズムを重くしない。ところどころ、いかにもバルビ節、といった「間」などがあって、どうしても旋律に味付けをしないと気が済まない。 主旋律に「泣き」が入っているのもいつも通り、テンポも微妙に揺れます。舞踏会も雰囲気があって、ちょっと立ち止まるところもお洒落。気取った踊りが目に浮かぶよう。(たしか、ウィンナ・ワルツの録音もあったはずだから、一度聴きたいもの)華やかなオーケストラの響きは、ハレ管とは思えないほど。 「野辺の風景」へのアプローチはむずかしい。全曲中、もっとも長い楽章を集中して聴かせてくれるかどうか。バルビローリは、横の流れで諄々と進めていくんですね。ハレ管は、いつになく(といっては失礼だけれど)しっとりとした弦・木管の響きが美しい。 「断頭台への行進」「ワルプルギス夜の夢」辺りがこの曲のクライマックス。かなりさっぱりとしていて、むしろ軽快(これは金管の印象か)、グロテスクにしないところがジェントルマンの所以。終楽章の金管の爆発、木管のリズム感は立派。ずっと抑えていたものがいっきに開放された感じ。最終楽章の鐘の音もきれいですね。 ハレ管は最近、スクロヴァチェフスキ、ナガノと指揮者に恵まれ、往年の輝きを取り戻しつつありますが、やはりバルビローリの時代が最盛期だったのでしょう。馬力より、味わい、といった印象が強いオーケストラですが、この演奏では弱さを感じさせませんでした。鳴りきって、一流の響き。
「ファウストの劫罰」からの3曲は、彼らしい細かい神経が節回しに生かされた美しい演奏。(音質は少々濁り有)
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