Barber ヴァイオリン協奏曲/Bernstein セレナード
(ウィリアム・ボートン/イギリス・ストリング・オーケストラ/フー・クン(v))


Barber

ヴァイオリン協奏曲 作品14

Bernstein

ヴァイオリン、弦楽、ハープと打楽器のためのセレナード

ウィリアム・ボートン/イギリス・ストリング・オーケストラ/フー・クン(v)

NIMBUS NI5329  1991年録音  $4.99で個人輸入

 恥多き人生、というか、自分の以前のコメントを見るのはかなりツラいものです。コメントというより、音楽の聴き方、感じ方そのものが現在とは違っていて、驚くばかり。「ヴァイオリンはかなり常識的で線も細くて、クセというか個性がなさすぎてツマらない」〜ツマらないのはオマエの耳とコメントだろう?と突っ込みも入れたくなります。言い過ぎでっせ。

 録音当時、フー・クン28歳。たいしたもんですよ。正攻法で、やや地味だけれど抑制系のヴァイオリンが美しい。いえいえ。数年前の自分の希望↓も理解はできるんです。甘いあま〜い旋律充満でしょ?もっとトロリと甘く、切なく、艶やかに、クサく!といういうのが、いかにも似合いそうな、そんな作品ではあります。たしかに。

 ボートンの責任もあるんでしょう。ワタシはこの指揮者は、叙情的表現が勝っていてお気に入りだけれど、リズム感が少々甘い。時に全奏で響きが濁ることも有。ようはするに、ソロ・オケとも、しみじみ真っ直ぐ表現していただいて、Barber作品の魅力は存分に伝わるが、まだまだ余裕が足りないと言うか、遊びとか爆発は欲しいところ。録音良好。

 ま、真面目一本槍だけど、勘弁してあげてね、若手だし、的演奏なんです。だから「セレナード」という選曲は少々マズい〜指揮者の個性共々。だって叙情的表現系でしょ?イギリス紳士だし。やっぱり、ジャジィにバリバリ元気より、のりのりで演ってもらわなくっちゃ。一番下にバーンスタイン/フランチェスカッティの演奏と比べちゃってさ、あまりにもかわいそうだけれど、はっきり言って、そちらを聴いて初めて「ああ、この作品ってこんなテイスト!」と気付いたくらいでしたね。

 ・・・で、結論的に数年前となんら評価変わらず。相変わらずワタシって傲慢やなぁ。Googleで「HU KUN」と検索してみたが、頑張っておるようです。でも、CDはこれの他には室内楽をみかけたくらいかな?その後の成長を見届けたいもの。

(2004年2月20日)

 円高のときは個人輸入が楽しかったなぁ。1$=90円くらいでしたからね。このCDもずいぶん安く手に入れました。いまだったらこんな贅沢は出来ない。

 バーバーは「弦楽のためのアダージョ」以外の作品は、ほとんど知られていません。しかし、この曲は涙もののセンチメンタルでトロリと甘い旋律の名曲なんです。1941年の作品にしてはずいぶん保守的で、ヴァイオリン版ラフマニノフといった趣。たしかアン・アキコ・マイヤーズのデビュー曲でしたね。中国出身の若いフー・クンというヴァイオリニストが気持ちよさそうに弾いています。(メニューインの弟子だとか?)

 ボートンのオケは日本語訳はどうしたらいいんでしょ?(「英国弦楽管弦楽団」?〜ヘンだなぁ)日本ではほとんど話題にならないけど、たしかマンチェスターの団体でNIMBUSからたくさん録音が出ています。しっとりとした音楽をやらせるといい味出します。(元気の良い、リズム感のある曲はちょっと緩い)

 ヴァイオリンはかなり常識的で線も細くて、クセというか個性がなさすぎてツマらない。曲が曲だけに、思いっきりクサく、朗々と旋律を歌わせてほしかったところ。わずか4分弱のフィナーレでは、細かい音形を表現する技術は充分だけど、盛り上がりが足りません。なんというか、もっと入れ込んで陶酔して欲しい。

 バーンスタインの「セレナード」は、フランチェスカッティ、クレーメルなんかが録音してました。彼らしい快活なリズムと、荒唐無稽な旋律の跳躍が素敵な現代作品。

 オケもヴァイオリンもかなり熱演ですが、ボートンはやはりこういう曲では大人しすぎるというか、真面目すぎる。なんせ紳士の国ですからね。クンはバーバーの時と同じで、独自の主張が足りない。細い。おとなしい。変化が少なくてどこも一本調子。技術が弱いわけではないが、スウィング感が足りない。リズムが曖昧。

 でも、珍しくていい選曲・演奏家でしょう。録音もニンバスらしい、しっとりとした暖かい音。このCDは国内では出なかったはずで、曲自体も意外と手に入らないので貴重といえば貴重なんです。


比較対象盤

Bernstein
ヴァイオリン、弦楽、ハープと打楽器のためのセレナード〜フランチェスカッティ(v)/バーンスタイン/NYP
(SONY SM3K 47 162 1965年録音)

 当たり前の話しながら、共感度というかテンションというか、熱気の水準が違う。バーンスタインの、汗が飛び散る様子が眼前に浮かぶよう。オン・マイクであまり録音もよろしくないが、迫力が桁違い。(1999年更新)

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written by wabisuke hayashi