Bach カンタータ第30番「喜べ、救われし群よ」(ルーシンク)


BRILLIANT 99374/4 Bach

カンタータ第40番「その時、神の御子は現れたり」(1723年)
カンタータ第84番「わが幸に心満ちたり」(1727年)
カンタータ第30番「喜べ、救われし群よ」(1738年以降)

ホルトン(s)ブヴァルダ(a)ベークマン(t)ミール(t)ラムセラール(b)/オランダ少年合唱団
オランダ・バッハ・コレギウム/フランケンバーグ(ob)フレンケル(ob)バレゴーエン(ob)ツヴァルト(hr)ヴァイルンガ(hr)ヤンセンス(トラヴェルソ)ミデルコープ(トラヴェルソ)モーネン(トラヴェルソ)/ルーシンク

BRILLIANT 99374/4 2000年録音  5枚組1,800円で購入(のち1,180円で目撃〜でも後悔しない)

 Bach のカンタータには、連日のように心洗われております。いまやワタシにとってはMOZARTのピアノ協奏曲と同じように、これ以上ない最高のやすらぎ。CD60枚の物量にやや圧倒されながらも、少しずつその神々しい響きと旋律に包まれていく幸福感。でも、歌詞の内容はわからない。(おそらく訳していただいても)

 樋口隆一さん「バッハの四季〜ドイツ音楽歳時記」(平凡社ライブラリー)は、かつてFM放送された内容(1986年。ワタシはその中の数回をカセットにタイマー録音していた)を著作にまとめたもので、著者ご本人から教えていただいたもの。まだ、少ししか読んでいないが、ドイツの四季折々の祭事(これがおもしろい。ドイツ古来の風習に、のちキリスト教的な行事が混じり合っているらしい)に、Bach の作品が照合していってるとのこと。

 そこが見えるようになれば、このカンタータ集の喜びは何十倍にも膨れ上がるのでしょう。でも、いまのワタシは無垢な少年合唱団の歌声や、柔らかくも自由な古楽器の響きを楽しみつつ、敬虔な雰囲気を味わう水準に過ぎません。つまり、ほとんどコメント不可。「Bach への敬意は失わず、時々聴いていますよ」程度の覚え書きです。お恥ずかしい。

 カンタータ第40番「その時、神の御子は現れたり」には「クリスマスの第2日目に」という注釈が付いていて、(クリスマス・オラトリオが第6部まであることから類推は可能ながら)「嗚呼、本場ではクリスマスって何日もあるのかも」と、日本に俗化された行事(それも悪くないが)との違いが想像されます。

 冒頭、ホルンを中心としたなんとも牧歌的でノンビリとしたバックに乗って、合唱が喜ばしい。テナーのベークマンは少々不安定な感じだけれど、ラムセラールのバスは貫禄充分(「地獄に住まう蛇(悪魔)よ」)。ブヴァルダのカウンターテナーはいつも通りの深みがあり(「蛇はかつて楽園において」)、合唱は緻密とは言い難いが、バック共々素朴で敬虔な味わいがあります。

 計4本のオーボエが活躍し、2本のホルンも立派(ナチュラル・ホルンと明記)だけれど、全体としてリズム感とノリに欠けるような演奏でしょうか。残念。

 カンタータ第84番「わが幸に心満ちたり」は、ホルトンのソプラノ+合唱+フランケンバーグ(ob)のみの担当となります。オーボエ・オブリガート付きのソプラノは哀愁と決意に充ち、ゆったりと歩むような美しい旋律の宝庫でした。(作品内容はネット検索したが発見できず。わずか14分ほどの作品)フランケンバーグは、しっとり地味な音色が好ましい。ホルトンの声質は、気高く清楚であります。

 カンタータ第30番「喜べ、救われし群よ」は、「洗礼者ヨハネの祝日用」(なんのことやら?)とのこと。大きく2部に分かれ計35分、3本のオーボエ+トラヴェルソ3人が加わる大作です。冒頭の合唱から、大きな編成を生かしたスケールで喜びが表現されます。ここでもラムセラール(バス)は気品と存在感に充ちて立派(旋律が美しい)。ブヴァルダ(カウンター・テナー)のレシタティーヴォは、彼の音域としては少々高めで違和感有。続くアリアは剽軽にハズむピツィカート+管の控えめなバックに乗って、楽しげに歌われました。第1部ラストのコラールは、シンプルだけれど大がかりなもの。

 (どういう意味合いかはわからないが)第2部は、バスの暗いレシタティーヴォで始まりました(オーボエ付き)。続くアリアは「短調のBach 」魅力大爆発で、オーボエが活躍しながら、弦のアンサンブルが切ない旋律をリズミカルに歌います。ホルトン(ソプラノ)の声質は、儚げで哀しくて、ここでもエエ感じ。ミール(テナー)の出番は短いレシタティーヴォのみだけれど、美声を楽しませてくださいました。

 そして冒頭の喜ばしい合唱が回帰して終了。(嗚呼やはり、まともなコメントなんて付けられないもんだな)

 

 ポジティヴ・オルガンの素朴な響きが全体を支えております。オランダ・バッハ・コレギウムは、個々の演奏家の技量はともかく、アンサンブルの集中力や個性という点では少々物足りないかも知れません。(2005年10月7日)

 


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