Bach ブランデンブルク協奏曲全曲(フリッツ・ライナー/室内管弦楽団1949年)


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ブランデンブルク協奏曲
第1番ヘ長調BWV1046
第2番ヘ長調BWV1047
第3番ト長調BWV1048
第4番ト長調BWV1049
第5番ニ長調BWV1050
第6番 変ロ長調BWV1051

フリッツ・ライナー/室内管弦楽団(米コロムビア録音1949年)

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 太古モノラル時代の音源だけれど、モダーンなセンスに溢れ、キビキビと明晰なリズム感に驚かされる演奏。音質も(時代を考慮すれば)かなり明瞭です。ワタシ如きド・シロウトが演奏云々しても仕方がないので、せめてソロの情報をクレジットしておきましょう。あちこち復刻されているけれど、意外と情報不備なんです。

■第1番ヘ長調BWV1046
ロバート・ブルームRobert Bloom(ob)NBC響主席/Weldon Wilber (hr)/Hugo Kolberg(v)ピッツバーグ響コンマス

■第2番ヘ長調BWV1047
ジュリアス・ベイカー Julius Baker (fl)ピッツバーグ響首席のちにニューヨーク・フィル/Robert Bloom(ob)/William Vacchiano (tp)ニューヨーク・フィル首席、マイルス・デイヴィス、マルサリスの先生/Felix Eyle(v)メトロポリタン歌劇場コンマス/レナード・ローズ Leonard Rose(vc)ニューヨーク・フィル首席/Fernando Valenti (cem)ジュリアード音楽院の教授

■第4番ト長調BWV1049
Julius Baker、Ralph Eichar、Frederick Wilkins(fl)ニューヨーク・シティ・バレエ首席/Hugo Kolberg(v)

■第5番ニ長調BWV1050
Julius Baker(fl)/Hugo Kolberg(v)/シルヴィア・マーロウ Sylvia Marlow(cem)

■第6番 変ロ長調BWV1051

William Lincer (va)クリーヴランドの初代コンマス?〜ニューヨーク・フィル/Nicholas Biro(va)NBC交響楽団

・・・ま、ざっとこんな感じで当時のオール・アメリカン代表選手みたいな凄い顔ぶれ(数人調べが付かない人もいるけれど)。日本じゃ独墺本場でしょ!指向が強いから話題になっていない音源と思います。Bach は通常の演奏会演目から外れ気味(専門化している)、現役の大指揮者ではクラウディオ・アバドくらいしか取り上げていないはず。1960年代には御大カラヤン、クレンペラー、シューリヒト、エイドリアン・ボウルト、マゼール辺りも盛んに録音をしておりました。古楽器隆盛とともに室内アンサンブル専用の演目となって、フリッツ・ライナーの強面からは違和感あるレパートリーかな?と感じられても仕方がない。

 第1番ヘ長調BWV1046はやや手探りっぽく始まり、すぐにキビキビとした適度なテンポに落ち着きます。現代の感覚からして遅くも重くもない。アクセントをしっかり刻むリズム感。弦は表情豊かであり、ホルンの朗々とした合奏はみごとであります。(Weldon Wilber (hr)の詳細調べが付きませんでした)ロバート・ブルームは縮緬ヴィヴラートでワタシの嗜好ではないが、それはあくまで”嗜好”の問題であって、コルバーグ(コルベルク?)との切々とした掛け合いも清潔感があってなかなかよろしい(第2楽章「アダージョ」)。第3楽章「アレグロ」のリズムの刻みは軽快なこと!メヌエットの優雅な開始。

 第2番ヘ長調BWV1047はヴァッキアーノのトランペットが輝かしく熱血躍動しております。最新の研究成果とやらで”コルノ・ダ・カッチャ”(狩りのホルン)を使用する演奏があるんだけれど、やっぱり耳もつんざけ!的トランペットの炸裂なくして第2番の魅力なし。ベイカーのフルートの華やかさ、フェリックス・アイルのしっとりとしたヴァイオリンも素敵だけれど、ま、ヴァッキアーノでっせ、すべて。

 第3番ト長調BWV1048の出足も第1番そっくりの手探り状態、やがて適正なテンポに落ち着きます。ライナーは(想像通り)端正なアンサンブル、更には他では聴けぬ強弱の微妙微細なる表情ニュアンスをたっぷり付けております。それは時代遅れな違和感を感じさせない。例の二つの和音しかない第2楽章(?)はそのまま、なんの演出もなし。最終楽章はもの凄くリズムを細かく強調しております。

 第4番ト長調BWV1049は時代的にフルートなんだな。おそらくは現代楽器であればリコーダーよりバランスがよろしい。華やかなベイカーの世界全開ですよ。清潔な軽快感があり、テンポは颯爽として現代とセンスの違いはない。ヴァイオリンの超絶技巧が聴きもの。ライナーはリズムの刻み方がしっかり几帳面なんです。終楽章「プレスト」はなんと喜ばしい。

 第5番ニ長調BWV1050のキモはチェンバロであって、シルヴィア・マーロウはもちろんメカニック音色な現代楽器。全体の音量バランスとしては悪くはない。技巧はもちろん流麗であります。2段鍵盤の音色の違いを縦横無尽に活用しております。フルート、ヴァイオリンも思いっきり美しい。終楽章、ライナーのリズムのキレも素晴らしい。

 第6番 変ロ長調BWV1051の白眉は第2楽章「アダージョ・マ・ノン・タント」に於ける切々とした歌なんだな。終楽章の溌剌とした躍動、晴れやかな表情にも文句はない。

(2011年11月26日)

(蛇足だけれど、翌日「音楽日誌」にて言及したもの)・・・パブリック・ドメイン音源故自主CD拝聴しつつ執筆しておりました。3年前?自分としては初期のものでして、”50枚1,000円”特売CDR見つけると入手して購入したノーブランド品(現在なら100枚1,380円amazonPB愛用)〜これが(覚悟していたけれど)盤面劣化しております。途中で音飛び発生(なんとかラスト迄聴いたけれど)盤面確認するとあちこち変色が・・・微細な隙間があって水分が入り込んだ?CDRって意外と保たない、せいぜい5年くらいですよ、との助言をいただいた記憶もあります。


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written by wabisuke hayashi