Bach 管弦楽組曲第2/3番(カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー)


エールディスク  GRN-569(DGの海賊盤)
Bach

管弦楽組曲第2番ロ短調BWV1067
管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068

カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー/ツェラー(fl)/ピヒト・アクセンフェルト(cem)

エールディスク  GRN-569(DGの海賊盤) 1964年録音  中古250円で購入

 カラヤンは「売れ筋」なので、海賊盤/中古盤も当然多い。ワタシは子供の頃から「アンチ・カラヤン」だったが、たしかLP時代に一度所有物をカウントしたらカラヤンが一番多かった時期もありました。なんやかんや言っても聴いていることは聴いているんです。ここ最近は自分自身が枯れてきたせいか、「ま、是々非々で」〜というスタンスで目くじらたてて非難する元気もなくなりました。

 バロック音楽は大好きで、取り分けてBach はワタシにとっては絶対的存在。小学生時分、4歳上の兄が友人から借りてきた17cmLPがカラヤンのブランデンブルク協奏曲第3番でしたね。一発でお気に入り状態に。1980年代くらいに古楽器系の演奏が隆盛しはじめてから(それはそれでショックだったが)でも、こういったゴージャス系Bach の嗜好はそうカンタンには揺るぎませんでしたよ。

 ツェラーがね、痺れるように豊かで色気あるフルート。第2番は、曲想的にやや暗い旋律で、引き締めればいくらでも厳しくできそうな曲じゃないですか。柔らかく、ふくよかな弦でヨロしいんですよ。この厚み、余裕、奥行き。リズムがユルい?いえいえ金持ち喧嘩せず、ですよ。そんな些細なことでBach の音楽はビクともしません。

 ま、古楽器系に馴染んで既に20年。ストコフスキーのBach も完全に復権したし、Mahler 版の管弦楽組曲もちゃんとCDや演奏会で聴けるようになりました。なんやら、こんな立派で、肩の力が抜けた(とことん)美しい演奏は、現代においてはかえって新鮮でしょう。残響豊かなレガート奏法は、そんなにイヤミじゃありません。脳髄に快い演奏。

 「ユルい?」〜じゃ、この第3番はどうなる。第2番どころの騒ぎじゃないですよ、このズルズル感は。音は途切れず、常にリズムはハズまず、アクセントは不明確の極み。なんやらキモチよい「霧」みたいなものが立ちこめて、うすボンヤリと遠くが見えない感じですか。柔らか〜いトランペット(上手いよ!)、単なる色づけとしてのティンパニ。

 「金持ち喧嘩せず」〜あくせく働かなくても良いんです。優雅に、ゆったりと・・・・どうも細部が明快でないような気もするが、いえいえ雰囲気を味わっていただくだけで充分。有名なる「アリア」もピツィカートのバックじゃなくて、いやはや極上のしっとり歌ですね。(楽譜はどうなっているの?)そっと、そっと、ていねいに音を置いていく感じ。

 「ガヴォット」は宮廷で長〜い衣装を引きずっているみたい(に、締まりなし)。ブーレも妙に静かで上品。フィナーレはスケールが大きいですよ。でも、これは楽しめる演奏なんです。

 美しいBach 。なにを以て「美しい」と評価するのか。「音楽の父」であるBach は、やはり厳父の荘厳なる厳しさ(厳が3回続いたが)でしょ?その厳しさこそがストイックで美しい。もちろんカラヤンは違いますね。「そんなムツかしいこと、言わんでもヨロシやないの」〜享楽に耽る、やはり厚化粧の「美しさ」か?でも、この豊満感と耳あたりの良さは並じゃなくて、たとえ厚化粧でも完成度はピカイチ。

 それでもBach はBach 〜ワタシは存分に楽しみ、堪能しました。音楽はいろいろあってこそオモロイ。録音は雰囲気があって、自然な残響が極上です。DECCAのような超鮮明な人工美はないが、このほうが聴きやすい。(2002年11年1日)


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written by wabisuke hayashi
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