Schubert 交響曲第9番ハ長調(アタウルフォ・アルヘンタ)


IMG Artists  7243 5 75097 2 8 Schubert

交響曲第9番ハ長調 D944

アタウルフォ・アルヘンタ/チェント・ソリ管弦楽団

(+de Falla 「恋は魔術師」 パリ音楽院管弦楽団 1951年)

IMG Artists 7243 5 75097 2 8 1957年録音  2枚組@1,490で購入したウチの一枚
EMI音源じゃないが、メンドー臭いのでこのまま分類

 アタウルフォ・アルヘンタは1958年に44歳で亡くなったスペインの指揮者。ちょうど、ステレオ時代に突入する時期でしょ?録音は残りにくいんですよ。この録音は1970年頃テイチクの1,000円盤LPで出て以来のCD復活で、ワタシは長らく探していたものです。「Cento Soli」とは「千人のソロイスツ」という意味だそうで、録音用の団体か、当時専属契約が厳しかったせいで変名を使った有名オケかも知れん、とのこと。

 「グレート」は、中学生時代にフルトヴェングラー(ベルリン・フィル)を聴いて以来のお気に入り。ところが、ここ一年ばかりスランプで滅多に聴きません。(買ったまま封を切っていないCDが2・3枚有)ハ長調の曲って難しいですよね。一歩間違えればどうしようもなく平凡でユルいな表現になってしまう。ここは一発、燃えるような演奏をたのんまっせ。

 まずこの手のCDで心配になるのは音質でしょう。そこは、まぁ問題なし(と、いうことにしておいてください)〜鑑賞に堪えうる通常水準のステレオ録音。冒頭、ホルンの音色が明るくて、こりゃフランスの音でしょう・・・って、パリのサル・ワグラム録音ってちゃんと書いてじゃないの。ゆったりとした序奏からスピードも温度も上げて、疾走する曲でしょ。最近、ここら辺を妙に大人しく抑制しちゃう演奏が多いんですよ。アクセルは思いっきり踏まないと。

 いやぁ、久々に「疾走」してくれている演奏ですね。オケが妙に重くないのがよろしい。どう考えても軽快なフランス系の響きで、躍動するというか、燃えるような演奏に久々に出会っちゃいました。第1楽章ラストの大見得もカッコ良い。第2楽章も、ハズむようなリズム感が気持ちヨロシ。「ハズむような」と言うより、「叩きつけるような」(そんなに乱暴じゃないが)というほうが近いでしょうか。このくらいスパイスを効かせてくれないと、ラーメンだってノビてしまう。

 管の響きが明快で、普段埋もれてしまうフレーズがちゃんと聞こえます。ホルンはフランス風ヴィヴラートにゾクゾクしちゃう。弦は少々乾燥気味だけれど、これは録音の加減か?(きっとそういうオケでは?)テンポが途中かなり早くなっていて、ダレを防ぎます。

 スケルツォも期待通りのキレ。旋律は生き物のように、めまぐるしく動きます。やや速め、若々しい、元気がよろしい、アツい、良く歌って、そのくせオケのドライブが自在ときている。中間部のワルツは、ちょっと余裕の晴れやかな表情なんです。テンポの対比の上手いこと。

 終楽章。ストレート系で響きが濁らない。爽やかな歓びが溢れます。低弦がカルい、金管が威圧的にならない、木管が良く歌う〜アルヘンタって「リズム命」なんですね。でも、乱暴なリキみは最後までなくて、粋なんですよ。演奏者は涼やかに、流れよく演奏しているようだけれど、聴くほうは手に汗握ります。頬を紅潮させてくれます。そして、幸せになる。(2002年6月6日)


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written by wabisuke hayashi