Dvora'k「新世界」交響曲(アンチェル/ウィーン交響楽団)


Dvora'k

交響曲第9番ホ短調 作品95「新世界より」

Smetana

交響詩「モルダウ」

アンチェル/ウィーン交響楽団

PHILIPS DMP209 1960年頃の録音  たしか1,000円で購入

 記憶にある限り、1990年辺りにCDを集めだして最初の頃に買ったもの。帯の定価表記は1,200円。(うぅっ、高い)LP時代に親しんでいた録音をCDで探していて、かつて「なんとか名曲全集LP10枚組(?)」で楽しんだ演奏なんです。珍しいウィーン響との共演。この顔合わせでは、チャイコフスキーの三大バレエ音楽抜粋もありました。

 PHILIPSはあまりに音源が豊富すぎて、ウィーン響時代のサヴァリッシュとか、BBC時代のコリン・デイヴィス、ロンドン・フィル時代のハイティンクなんかの音源がなかなか復活しない。バイエルン放響やコンセルトヘボウ時代のヨッフムの録音だって、もっといろいろあったでしょ。その辺りで、この音源は希少価値かも。

 そんなに悪い録音ではないはずだけれど、オケの響きがずいぶんと地味。それと提示部を繰り返してくれないのはやや不満でした。表現そのものは、まっすぐストレート勝負で余計な飾り付けはないもの。第1楽章から勢いを感じさせるが、どんよりとした印象があって、いまひとつ楽しめません。

 有名な「ラルゴ」も、淡々と速いテンポで進めていて、これはこれで緊張感があって悪くないが、華がない感じ。第3楽章「スケルツォ」は、迫力と重量感があって立派です。終楽章は、いままで抑えていたものを一気に吐き出したような力強さ。金管も木管もやや個性不足ではあるが、スケールも大きくて満足できるラストでした。ここは文句なし。

 終楽章を聴けば、ちゃんとしたいつもの中低音重視のPHILIPS録音。前半はどうもいけません。ウィーン響は嫌いなオケではないが、響きが丸すぎると言うか、温微的というか、やや中途半端。アンチェルとの相性はいまひとつ。懐かしさにも、新鮮さにも少々不足します。

 名曲「モルダウ」収録はありがたい。水源が湧き出す木管の細やかな音型、とうとうとした川の流れ〜弦の主旋律のうねり。楽しげな村祭りの風景・・・・・どれもツボは押さえていて、本当に楽しい。荒れ狂う奔流を表現する、金管の迫力は文句なしでしょう。

 これ、本当の名曲でたいていの演奏は泣けます。(泣けないのはカラヤンくらいか)演奏の完成度は「新世界」よりこちらのほうが高いでしょう。ラストの控えめなルバート・アッチェランドもじつに効果的。(2001年2月23日)


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written by wabisuke hayashi