ALFVEN 祝典序曲 作品25/バレエ組曲「山の王」/ウプサラ狂詩曲/
交響曲第1番ヘ短調(ニクラス・ヴィレン/ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団)


NAZOS 8.553962 ALFVEN

祝典序曲 作品25
バレエ組曲「山の王」 作品37
ウプサラ狂詩曲 作品24(スウェーデン狂詩曲第2番)
交響曲第1番ヘ短調 作品7

ニクラス・ヴィレン/ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団)

NAZOS 8.553962 1996年(グラスゴー/ヘンリー・ウッド・ホール)

 HUGO ALFVEN(1872-1960)はスウェーデン近代の作曲家。代表作は「真夏の徹夜祭」作品19かな?いつもながらNAXOSはこういった地味な存在の録音を系統的に揃えていただいて、配慮ありますね。音楽は幅広く拝聴してこそ、ノーミソ活性化し長くお付き合いできるものなのでしょう。以下、なんの下調べも先入感も(もちろん知識も!)ないまま拝聴へ。

 「祝典序曲」始まりました。これはポロネーズ風のリズムに乗って、愉しげな作品です。勇壮なスケールと優しい歌も感じさせる、平易な旋律也。適度な残響+奥行き充分な鮮度高い音質(これはこのCD全編に言えること)。演奏はやや穏健に過ぎ、もっと元気を!と思わぬでもないが、ラスト、アッチェランドで盛り上がる5:09でした。

 バレエ組曲「山の王」って、第1曲「祈り」〜というか少々不安で怪しいから「祈願」とするべきか。第1曲「こびとの乙女の踊り」は幻想的かつ優しい、静謐安寧の旋律(弦が主体)となりました。ここが6:11で4曲中一番長いもの。第3曲「夏の雨」も繊細なメルヘン。主旋律の担当はなんだろう?サキソフォーンか、よくわからない。細かい木管のオブリガートが夢見心地にして下さいます。ラスト「羊飼いの少女の踊り」はめまぐるしくも快活な旋律であり、しかし、静謐さは継続いたします。急に哀しげな木管の中間部を夾んで、愉しげユーモラスな疾走(小走りか)が戻ります。

 全体通して、静かにそっとささやくような、そして洗練されたテイストなんです。ヴィレンの表現、オケの個性なのか。

 ウプサラ狂詩曲 作品24(スウェーデン狂詩曲第2番)も荘厳なホルンの重奏にて開始され、やがて弦が行進曲風に力強く歩みを進めます。華々しく、勇壮に盛り上がって、ユーモラスにテンポ・アップさせていく舞曲。先の「祝典序曲」同様少々活気とキレに不足するような表現ながら、しっとり瑞々しい余裕サウンドに変わりはない。堂々たる締めくくりには貫禄充分なる10:58也。

 この一枚メインである交響曲第1番ヘ短調は第1楽章「グラーヴェ−アレグロ・コンブリオ」、憂鬱なチェロ・ソロから始まる不安な幕開け。やがて哀しげな木管群に引き継がれ、哀愁の弦旋律へ〜そこにも木管が不安げに絡みつき、全体サウンドは重い嘆きに充たされます(グラーヴェ「重々しくゆったりと」)。主部に入るとテンポを上げ、ティンパニと金管が悲痛な叫びを上げつつ、やがて雲の切れ目から光が差して参りました。付点リズムに支配されたリズムテンポへ、時に軽快な表情も垣間見えます。何度も暗転しつつ、心象風景は安定しない。

 第2楽章「アンダンテ」は安寧に充ちたメルヘンであります。 ALFVENって世代(1872-1960)から考えるとずいぶん保守的で、耳当たりの良い旋律サウンドですよね。ほとんど映画音楽風。第3楽章「アレグロ」は規定通りのスケルツォであって、こういった弾むようなリズム感がいかにもALFVENらしい。優しくゆったりとした歌とリズミカル、ユーモラスな世界が交互に登場し、陰影も充分。

 終楽章「アレグロ」。いかにも北欧風(Griegを連想される)旋律がちょっぴり切なく、楽しく開始され、繊細な詠嘆も交互に登場して(ここでも)心象風景が安定しません。妖精のようなピッコロ登場して、やがてリズミカルな舞曲へと至り、また曇りがちの空が覗き、北欧風民族的旋律が戻る・・・激しい金管大活躍!+ティンパニもダメ押しのように加わって勇壮に全曲を閉じる・・・

 全体としてニクラス・ヴィレンの構成とかメリハリ、デフォルメが徹底されていなくて、演奏がイマイチな(わかりにくい)んだろうと思います。オケも作品に慣れていないのか、ノリがちょっと足りない感じ。でも、新しい音楽との出会いは大切にいたしましょう。

(2011年12月4日)


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written by wabisuke hayashi