優しいクラシック〜心にしみるアダージョAlbinoni アダージョ シモーネ/イ・ソリスティ・ヴェネティ(1972年) Mozart ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488〜アダージョ ピレシュ(p)/グシュルバウアー/グルベンキアン管弦楽団(1973年) クラリネット協奏曲イ長調 K.622〜アダージョ ランスロ(cl)/パイヤール/パイヤール室内管弦楽団(1966年) Barber 弦楽のためのアダージョ Khachaturian 「スパルタクス」〜アダージョ フォスター/モンテカルロ・フィルハーモニー(1985年) Rodrigo アランフェス協奏曲〜アダージョ サントス(g)/シモーネ/モンテカルロ歌劇場管弦楽団(1978年) Rachmaninov 交響曲第2番ホ短調〜アダージョ ザンデルリンク/フィルハーモニア管弦楽団(1989年) Mahler 交響曲第5番 嬰ハ短調〜アダージエット メータ/ニューヨーク・フィルハーモニック(1990年) ERATO WPCS-9261 中古250円で購入 ヒーリングもの、「アダージョ・カラヤン」の大ヒットで類似品を出したものだと思います。ワタシはこういった「寄せ集め」(カッコ付けて言えばコンピレーションもの)は(配慮と工夫があれば)キライじゃありません。ちょうど、カセットの余白に、いろいろエア・チェック録音した思い出が蘇りました。選曲、いかにも名曲!風勢揃い、演奏家も有名どころで固めて立派。(別に無名演奏家でも気にしないが) シモーネのAlbinoni〜これはまったく凄い。通奏低音チェンバロの自由な旋律は、妖しい魅力なんです。もともと切ない音楽だけれど、まるでソロのような扱いになっていて、ドキドキするくらい。この哀愁は昨今の古楽器では表現できない〜やはり、たっぷり潤いのあるアンサンブルで堪能すべきなんです。Mozart イ長調協奏曲「アダージョ」は名曲中の名曲というか、Mozart 最良の甘美な旋律でして、ピレシュの繊細きわまりないピアノの音源選択に、間違いはない。 クラリネット協奏曲は、もう達観したというか、解脱の境地みたいな清明なる作品なんです。ランスロのフランス系クラリネットは、ホンワカ明るく、ふくらみのある音色がちょっぴりセクシー。このCD中ではローレンス・フォスターの音源が貴重でしょうか。Barber「アダージョ」は「哀悼」が誰の耳にも明らかに表現され、切ない。Khachaturian「スパルタクス」は激しい動きのバレエだ、とのウワサだけれど、この「アダージョ」の包み込むような静かな優しさはなんという魅力でしょう。 「アランフェス」は聴く度、子供時代に見ていた新珠美千代さん(もう亡くなったんだなぁ。熱川温泉舞台の超・人気ドラマ「細腕繁盛記」1970年が懐かしい)主演の(別の、おそらく)メロドラマを連想します。スペインの音楽って、欧州には一種特有の哀愁が漂いますよね。演奏云々は正直わからない・・・というか、この楽章なら全部胸が締め付けられちゃう。 出ました真打ちRachmaninov 〜これエリック・カルメンが「恋にノー・タッチ(Never Gonna Fall in Love Again)」で旋律を借りている・・・というか、個人的にはそちらのほうが先に出会っておりました。ザンデルリンクは厳つい系の指揮者だと思うが、フィルハーモニア管のすっきりとした響きと見事に調和して、泣かせる旋律で聴き手を存分に泣かせます。 どうもロサンゼルス・フィル以降は評判が芳しくない、メータのMahler です。過度に濃厚なる表情やら、細部神経質になり過ぎない(ここでの)表現は悪くないと思います。全曲盤は聴く機会はまだありません。(2005年1月14日)
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