チェロ誕生!バロック時代のヴィルトゥオーゾたち (橋弘治(バロック・チェロ)/戸崎廣乃(cem)/2016年11月17日長久手市文化の家音楽室)
演奏会に向かう動機は、生で一流の古楽器を体験すること。高橋さんは2007年までラ・プティット・バンドに在籍した名手、戸崎さんのクラヴサン(仏蘭西風大型)はお隣のイタリア製のはやや小さめ、シンプルなデザインに比べて和風蒔絵の装飾も豪華、作成者の足立さんの説明によると現存する仏蘭西革命少々前の古楽器の完全再現(材料、接着剤すべて!)とのこと。中ホールでバロックを拝聴する機会は幾度かあって、チェンバロはほとんどアンサンブルに埋もれて聴こえませんでした。(リュートも音量は小さかったな)日常聴いているオーディオでの音量は実際どのようなものか、会場は長久手市文化の家「音楽室」(自宅より急坂速歩20分)これはホールに非ず、教室に聴衆約50名ほど、本来このくらいの規模、近さで拝聴すべき音量なのでしょう。納得。音響も配慮されております。
バロック・チェロの超絶技巧は要所にちゃんとヴィヴラートもあるのですね。ほとんど初耳作品(名前さえ知らぬ作曲家)はシンプルに味わい深いものであり、大Bachは残念、抜粋でした。幾度聴いたかわからぬ名曲中の名曲、これも生演奏初体験。戸崎さんのクラヴサン(仏蘭西様式なので)ニュアンス豊かにしっかり鳴り響いて、1960年代以前の「現代チェンバロ」(おそらく20世紀のホール音響に適合するよう再現されたもの)の金属的なサウンドとはまったく異なりました。
Claude-Benigne Balbastre( 1724ー1799)はたいへんなイケ面、女性に人気があったんだそう。有名な「ラ・マルセイエーズ」をモティーフに大砲を模した響き(戸崎さんの台詞入り)がオモロいもの。名古屋市のお隣、愛知県郊外でこんなマニアックな演奏会が持たれるもの貴重でしょう。オーディオ云々の前に「リファレンス」をしっかり持つのは当たり前のこと、生演奏は音楽の基本です。 (2016年11月18日)
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