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サンクトペテルブルグ交響楽団演奏会


2000年11月27日(月)PM7:00〜岡山シンフォニー・ホール

Tchaikovsky

幻想的序曲「ロメオとジュリエット」
ロココ風の主題による変奏曲 作品33
交響曲第6番ロ短調 作品74「悲愴」

ドミトリエフ/サンクトペテルブルグ交響楽団/堤 剛(vc)

 S席9,000円!が、懸賞に当たって無料。ラッキー!一番安い席で3,000円、でもけっこうお客は入っていたから裕福な人も多いんですねぇ。それだったら、もっとアマ・オケにも来てちょうだい、とお願いしたいところ。

 有名な「サンクトペテルブルグ・フィル」(旧レニングラード・フィル)ではなくて、「交響楽団」のほう。たしかSONYからチャイコフスキーの後期交響曲3曲分出ていた記憶もあります。アレクサンドル・ドミトリエフは1977年以来、常任指揮者を務めているそう。

 「ロメ・ジュリ」は、けっこう楽器編成も大きいし、ハープも2台、打楽器も3人ほどいました。現地調達ではなくて、ちゃんとした団員みたいで皆外人さんでした。(身体が大きい)なにせ、フル・サイズ、それなりに名の通った外国オケを聴いたのは30年ぶり(1970年のセル/クリーヴランドの来日公演以来〜まだワタシが子供の頃)で、その音の厚みには驚き。正直言って、この曲は昔馴染みだけれど、いまひとつよく理解できない。

 全体の響きはそう洗練されないが、もとよりロシアのオケに洗練は求めていないし、低音の迫力、金管の鳴り具合も期待通り。まだ演奏会が始まったばかりのせいか、おのおののパートがバラバラに鳴っている、といった印象でした。技術的、アンサンブル的にふだん聴いているアマ・オケとは比べるべくもない高い水準ながら、「木管の音が硬い」とか些細なことも気になります。それでも、最終版の打楽器の迫力も含めて、ようやく親しみを感じる曲に変貌してくれました。(自宅に帰ってからCDで聴き直しました。コヴァチェフ/ソフィア・フェスティヴァル管)

 「ロココ」(これ、たしか改訂版ですよね。フィッツハーゲン版?違ったかな)は名曲だし、堤 剛の技巧が超絶でゾクゾクしました。(休憩中、彼のドヴォ・コンのCDが売っていて、思わず買いそうになったくらい)なんと豊満な音色、円熟した歌心。バックのホルンも朗々と大音量で鳴ります。(もっと思いっきりヴィヴラートが欲しいところでしたが、やや抑制気味)

 休憩後、メインの「悲愴」。この曲、苦手なほうなんですが、ナマで聴くと曲のイメージが変わりますね。冒頭の低音はコントラバス〜これが重量感タップリ。それに呼応するのがヴィオラだったんですね。その陰鬱な味わい。第1楽章は、ドミトリエフのテンポが早めだったり、旋律の歌わせ方がサッパリしすぎたりで不満でした。(だってロシアからのお客さんでしょ。もっと濃いめでしつこくして欲しかったところ)でも、オケはじつによく鳴っていて感心します。(弦も管も、こんな厚みのある低音は初めてのような気がする)

 第2楽章の(中途半端な5拍子の)ワルツは、さっぱりとした表現が、逆に流れを良くしていて気持ちがよい。チェロの甘い音色が出色で、それだけで充分色気もある。第3楽章のスケルツォもテンポが早くて、ノリノリで最高。ここでは当然金管の爆発を期待したところですが、並の迫力(音量も)ではないが、ワタシが思い描いていた水準ではない。もっと、思いっきり金属的で、脂ぎって欲しかったもの。ザラリとした響きの味わいは期待通り。

 中央、最上段の禿頭の爺さん=ティンパニがもの凄くカッコウ良いバチさばき。左、やや若手細身の男が気持ちよさそうにシンバルを連打。

 終楽章も、早めのテンポでサラリとしているが、物足りなさはなくて、弦の厚い響きが魅力です。淡々とした表現(オケのそのものの響きは濃い)ながら、第2・3楽章との曲調の対比が際だっていて魅き付けられます。ドラはもっと、思いっきり鳴らして欲しかったが、そっとたたくように指示があったのでしょうか。この楽章、あっという間に終わりました。

 きょうは客筋が良かったなぁ。マナーも良好、音楽に集中している感じも伝わりました。終楽章が消え入るように終わったあと、しばらく沈黙が続いて、やがて少しずつ拍手が沸き上がる感じも音楽によく似合っていました。(せっかくの静寂を、いきなり拍手で〜いかにもオレはこの曲を熟知しているぞ、みたいな〜ぶちこわしにする人もタマにいるじゃないですか)この演奏会はアマ・オケとはまた違った意味で、音楽の神髄を感じさせてくれような気持ちになりました。オケのパワーを楽しみました。

 いつものことながら、即帰らせていただいたので、アンコールはわかりません。(松嶋菜々子の「やまとなでしこ」を見たかったので)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi