1984年 第1回コンドラシン国際指揮者コンクール受賞者演奏会


Brahms

交響曲第2番ニ長調
小田野 宏之(第2位)1958年生

Mozart

交響曲第41番ハ長調K551
ムハイ・タン(第3位)

Beethoven

交響曲第8番ヘ長調
広上惇一(第1位)1958年生

オランダ放送フィルハーモニー  1984年9月アムステルダム・コンセルトヘボウ・ライヴ

*(メールをいただき修正いたしました)
> コンドラシン・コンクールの順位なのですが、
> 確かに放送ではその順位でコメントされたようですが、
> NHKがコンクール事務局に問い合わせ、この放送の翌週(だと思います)に、
> 小田野氏が第2位、ムーハイが第3位と訂正が入った筈です。

ありがとうございました。

 ダンボールをひっくり返していたら、15年ほど前に録音した90分テープが出てきました。コンドラシンの「シェエラザード」を聴いて思い出したのですが、亡くなったコンドラシンを偲んで指揮者コンクールが開かれたんですね。このテープでは「第1回」となっていますが、その後続いているのかどうかは知りません。

 オランダ放送フィルは、最近デ・ワールトの薫陶によって躍進していますね。当時はそんなことも知らず、会場であるコンセルトヘボウの美しい残響と、意外としっとりとしたオケの音色に感心した記憶もあります。ライヴものは基本的に好き。タイマーを使って録音したようで、残念ながらラスト広上さんの演奏は第2楽章途中までの収録。

 ワタシと同世代である小田野さんは、現在国内で活躍されているはず。(残念ながら聴いたことなし)この当時26歳だったわりには、ずいぶんと渋く、じっくりと歌った演奏で、若さ故の腰の軽さなど微塵もない。曲が曲だけに、落ち着いた、味わい深い感動に包まれます。
 ブラームスのキモであるチェロとホルンの深さはピカイチ。終楽章における圧倒的な高揚の作り方の上手さ。コンクールとは思えない完成度の高さですが、なぜ第2位かというと、おそらく若々しい可能性の欠如と想像されます。ちょっと枯れ過ぎか。

 それは、第3位の中国の指揮者タンの演奏を聴くと理解できる。
 前のめりのリズムで、そうとう強引な「ジュピター」なんですよ。オケのコントロールや、アンサンブルの完成度で云えば明らかに小田野さんの方が上でしょう。表現がモーツァルトに相応しいかは別問題として、充分個性的で分厚い響きが意欲的、と評価されたはず。ワタシは絶対、小田野さんのほう支持。

 広上さんの演奏は、さすが第1位で納得の高水準。Beeやんの第8番は、コンクールでやるにはそうとうに難しい曲と思うのですが、冒頭から引き締まった緊張感の高い響きでグイグイ引き込まれる魅力充分・・・・・と、思ったらテープが終わってしまって残念。その後の活躍が予測できる輝き。

 同じオケ、同じ会場なのに、指揮者がちがうとずいぶんオケの音色が変わります。ブラームスにおける柔らかく、深い響き。モーツァルトにおける豪勢で分厚く、重い音色。ベートーヴェンにおける、切れ味ある集中したアンサンブル。

 最近すっかり贅沢になって、カセットの音質には不満はあるけれど、けっこう楽しめました。最近、こういった若手の録音はFMで放送されているんでしょうか。聴きたいものです。


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
▲To Top Page.▲
written by wabisuke hayashi