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アンサンブル早島第2回定期演奏会


2001年11月10日(日)PM2:00〜早島町町民総合会館「ゆるびの舎」にて

Bach 無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調より「ブーレ」
Mozart 嬉遊曲ニ長調K136
Mozart ホルン五重奏曲 変ホ長調 K407
杉本賢志(hr)/渡辺利歌(v)/安藤律子、南徹志(va)/小川照夫(vc)

Bach G線上のアリア
Handel  水上の音楽(ハーティ版)

江島 幹雄/アンサンブル早島

入場料無料

 「ゆるびの舎」にはずいぶんと通ったが、500人満杯というのは初体験。地元早島町のアマチュア・アンサンブルだし、町中揃って応援態勢が出来ていたのでしょうか。老若男女こぞって参加状態で、小さなこどもが少々グズったってしかたがない。ワタシはお隣の岡山市から来ているから、文句は言えた義理じゃないんです。けっこう堪能しました。(途中休憩の女性トイレの列が凄い)

 3年前から週1回集まって練習している弦楽アンサンブルだそう。途中「インタビュー」があったりして「6年前に主人が亡くなり、二人の娘も嫁ぎ、小学生の時に習っていたヴァイオリンをもう一度やってみたかった」とか、「チェロが大好きで習いに来た」お寺さんの奥さんとか。こういうのを見ると、自分がホントに恥ずかしい。たかがCD如き云々など片腹痛いっ!酒ばかり飲んでないで、自ら演奏しなさい・・・と天上の声が聞こえてきました。(管は賛助なんですね。岡響の人がいました)

 「眉間にシワ」的名旋律Bach の「ブーレ」も、皆さんで演奏されると牧歌的で、まるでボッケリーニのメヌエットみたいになってしまいます。天衣無縫の名曲Mozart の嬉遊曲は、やれピッチがどうの、なんて外野のヤジは簡単だけれど、伸び伸びとした音楽する喜びが充満していて、聴き手を充分幸せにしてくれましたよ。

 (穏和な仲本工事を彷彿とさせる)江島さんは、東京芸大を出て、都響でヴィオラを弾いていたらしいが、現在はこうして岡山県をベースに教育や音楽活動をされているとのこと。コンミスの渡辺さんが背筋が伸びて立ち姿が美しい。たいへんな美人(やや陰のありそうな魅了横溢)で、ま、例えは古いが、伝説のアイドル・ドラマ「奥様は18歳」における主役・岡崎友紀に対する当時の松坂慶子の味わいか。(ワタシの勝手な妄想でした)

 閑話休題。Mozart のホルン五重奏曲って、ヴィオラが2台って知ってました?岡響の常任指揮者・杉本さんは、じつはホルンの名手であって、ワタシは痺れました。完璧な技巧、リズム感。よく伸びる奥行きある音色。この曲は知らぬワケではないが、これほどの名曲であったとは・・・というのが正直な感想でした。

 たった5人(チェロ以外は立ち上がって演奏)ではあるが、フル・オーケストラに匹敵するスケール。二人のヴィオラ+チェロが伴奏(地味だけれどたいへんな充実ぶり)を務める「ホルンとヴァイオリンのための協奏曲」といった趣、というワタシの感じ方は間違っているのでしょうか。先ほどの松坂慶子さんのヴァイオリンが朗々として、よく歌ってホルンと絡んで気持ちヨロシ。(ここ本日の白眉でした)


 児島在住のHPが縁で知り合ったK氏(やさしい安部穣二風)も演奏会に駆けつけてくれて、「このホルン五重奏は完璧!」といった意見で合意しましたね。休憩後、「今この瞬間も多くの人が・・・」風のWTC事件〜アフガン報復〜平和を願う・・・的なナレーションが入って「G線上のアリア」は(もうしわけないが)ややクサすぎました。(演奏はコントラバスのピツィカートがドキドキするほど魅力的。特に前列から2番目の男装風女性演奏者が)

 そのあと、江島さんから各パートの説明があるんですが、紹介を受けると各々短い曲を演奏するんですね。だいたい童謡だったが、とくにフルート・ピッコロの「千と千尋の神隠し」が受けていましたね。それとファゴットの「線路は続くよどこまでも」(即興で警笛が入るんです)。

 ハーティ版の「水上の音楽」は、もしかしたらワタシ初耳かも知れません。これ、まるでストコフスキー編曲のBach ですね。多彩で、華々しくて、正直この曲はあまり好きではなかったが、とても楽しめました。ホルンが大活躍だけれど、後半トランペットとティンパニの迫力に心奪われました。

 「ラデツキー行進曲」のアンコールは、会場の手拍子に支えられて絶好調。(できればスネアドラム・ソロから始めて欲しかったが)さらに「ふるさと」の全員合唱で幕を閉じました。なんか久々に気取らない、暖かい演奏会でした。


 演奏会終了後、ホルンのFさんからのお誘いで数人の岡響関係者+αの方々とお話をしました。「ああ、あのホームページの人ね」と話題にしてくれていたみたいで、嬉しいもの。「きょうの演奏会も、きょうのウチHPに載るんでしょ?」なんて、プレッシャーを掛けられるので、こうして致し方がなく執筆いたしました。ご容赦。まだまだ毎週演奏会は続くよ、どこまでも。


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi