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バッハクライス神戸 第3回定期演奏会
(神戸市東灘区民センターうはらホール)


2009年5月2日(土) 14:30開演〜1,000円

Bach

カンタータBWV107 「汝、なんぞ悲しみうなだるるか」
カンタータBWV10「わがこころは主をあがめ」
モテット(カンタータ)BWV118b「おおイエス・キリスト、わが命のひかり」
ミサ・ブレーヴィス イ長調 BWV234

李 善銘/バッハクライス神戸(合唱/管弦楽)/頃安利秀(t)/今泉仁志(b)

   ナマ演奏は半年に一回といった不熱心さ。

休日は疲れ果てて出掛ける意欲を失ったり、演目がありきたり(失礼!BeeやんとかTchaikovskyの交響曲が多いんです)だったり、会場が自宅からちょっと遠かったり、時間が気に喰わなかったり(土曜のマチネ希望)、挙げ句、たまに出掛けるとお隣の女性客が異様に化粧臭かったり、おしゃべりに熱心だったり・・・いろいろありまして、というのは言い訳です
というのはここ最近の「近況」でして、自分なりの条件にピタリ!と合う演奏会。

 ナマ演奏は必ず定期的に経験しておかないと、狭いマンションの片隅で”音楽の缶詰”ばかりで栄養は偏るし、あっという間に行き詰まっちゃう。どんな名演・名録音CDもナマ鮮度に敵うわけもない。ふだん解説書の類は一切読まないが、李善銘さんの「ご挨拶」には深く感じるところがありました。1971年芸大卒業だから、もう還暦を過ぎた団塊の世代〜卒業してから母校に小林道夫さんを招いてBach のカンタータ研究会を開いたこと。当時は楽譜もレコードもほとんどなかったらしい。

 李さんはヴィオラの専門で名古屋フィルでの経歴が長いけど、「東京バッハ・カンタータ・アンサンブル」を1977年に結成されているし、ヘルムート・リリングのシュトゥットガルト・バッハ・アカデミーにも加わっているから、史上初の全集録音という偉業にも参加していることになりますね。21世紀にはワタシみたいな市井(場末?)のサラリーマンでも「全集CD」簡単に、安く買えますもん。

 人生掛けて、この音楽の普及に尽力してきたんですね。凄い。素晴らしい〜そして、(もちろん)演奏も素晴らしい!じつは、数日前から「ミサ・ブレーヴィス イ長調 BWV234」(マルティン・フレーミヒ/ドレスデン・フィル/ドレスデン木の十字架合唱団/1972年)、そしてカンタータBWV107/10(ぺーター・ヤン・ルーシンク/オランダ・バッハ・コレギウム)の予習をしておりました。

 カンタータBWV107 「汝、なんぞ悲しみうなだるるか」。合唱22名、かなりご高齢の女性も加わっていらっしゃって、しっかりと歌っていたのが印象的。数を多く聴いていないので自信ないが、ヴィヴラート少な目、モダーンで引き締まって、迫力充分の合唱です。ここでは(いつもの)オーボエ2本に+フルート2本が加わっております。(編成指定にはホルンがあるはずだが、たしか本日はなかったと思う/第1曲でソプラノ・パートと同じ旋律だから省略したのか)ぼんやりCDを聴いているとわからないが、曲によって弦の演奏者を減らしたりするんですね。研究の成果なのか。

 BWV10「わがこころは主をあがめ」にはフルートが抜け、代わりにトランペットが加わりました。

 Bach のナマを聴くといつも思い出すんだが、通奏低音(ここではチェロ2、コントラバス1、オルガン)が全体のリズム感に必須の中核であること。しかも、チェロのソロであったり、チェロ1+バス1だったり、パターンは様々なんです。そして、声楽ソロには必ず”オブリガート”〜時にフルート、オーボエ、ヴァイオリン・ソロのこともあるし、チェロが絡むことがある。この対話がとても美しい。

 合唱は先に賞賛したが、オケも非常に上手い。ヴァイオリン・ソロ、チェロ・ソロはほとんど超絶技巧なんじゃないか。ほんまにアマチュアですか?(おそらくはフルートもオーボエも、そしてトランペットも/ちなみにコントラバスは若い女性だが、この方も正確無比)それにポジティヴ・オルガンが常に全体を暖かく包んでいる・・・作品によって演奏者が交代しているのはオルガンばかりではなく、弦楽器もコンマス、第1/2ヴァイオリンを交代させておりました。

 あたりまえだが!CDよりずっと感動的。そして帰宅してからのCDの理解がいっそう深まります。

 「うはらホール」は650名定員の小さなホールでして、驚くことにほぼ満員。ワタシが会場に入ったときには前の方の席しかなかったんです。管楽器の姿が見えないのと、残響少なく音が乾いた印象がありました。で、休憩後、2階情報袖席に移動。これで全貌が見渡せるのと、響きが上方によく通ります。

 事前予習では「BWV118b(おおイエス・キリスト、わが命のひかり)」が(手持ち全集CDから)探せなかった・・・そうか、モテトのところに収録されていたのか。これ、シンプルで敬虔なる旋律が、延々と合唱+管弦楽にて、ノンストップで繰り返されるんです。これが凄い効果。初耳なのにひたひたと波が押し寄せる浜辺のように充たされます。(帰宅後、ぺーター・ヤン・ルーシンク盤にて確認したが、このCDではトランペットが入っていない/実演ではとても効果的でした)

 ラスト、ミサ・ブレーヴィス イ長調 BWV234はとても明るい、小規模なミサとなります。ここでは管楽器はフルート2本で大活躍。「ドミネ・デェウス」では今泉仁志さんの柔らかい歌唱(フィッシャー・ディースカウによく似た歌い方)+例の超絶技巧ヴァイオリン・ソロが絡みます。喜びに充ちて、全曲は終了しました。

 エエ演奏会だった!


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi