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ゼフィール合奏団特別演奏会 〜協奏曲の夕べ〜2005


2005年6月11日(土)PM6:30〜岡山市民文化ホール 
ご招待いただきました。感謝

ベートーベン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調

ヴァイオリン 小山 洋治/ 指 揮 保科 洋

 他意も悪意もまったくないが、人生出会いだ、ということですな。縁あって岡山に越してきたのが6年前か。できるだけアマ・オーケストラでナマ演奏に親しんできたつもりだけれど、ゼフィール合奏団だけは(偶然だけれど)聴く機会を得ませんでした。で、団員の方からわざわざご招待いただいて、お仕事都合も良し、体調万全、珍しく女房同行でおじゃましました。ありがとうございました。

 女房は予習をしまして、「フィガロ」(エーリヒ・クライバー)Mendelssohn(クリスチャン・フェラス)Beethoven (ハイフェッツ)で準備しました。実際は標記の演奏順番でして、協奏曲2曲お務めの小山さんの体力配慮故でしょうか。ゼフィール合奏団は1971年創立のヴェテラン・アマ・オーケストラです。常任指揮者は小出さんで、高校の先生なんですね。(ことし3月定年退職されたとか。ごくろうさまでした)

   岡大響でお馴染み保科さんの精力的な(もう70でっせ、驚くほど元気)指揮、管楽器には岡山響のメンバーですか?杉本さんのホルンとか、伊豆丸さんのトランペットなど知っている方の顔も見えました。若い女性を中心とする木管、ティンパニ含め、手練れの方々ばかり。(賛助の方々なので、そのことは前提としてあまりコメントいたしません)ティンパニの静かな鼓動から、ゆったりとした木管が呼応してBeethoven が始まりました。

 小出さんのヴァイオリンは初耳だけれど、バリバリ弾いていくようなタイプではなくて、諄々と静謐繊細味わい系。まだ第1楽章では緊張からかカタさが見られたようだけれど、第2楽章辺りからリラックスしてよく歌うヴァイオリンとなりました。特筆すべきは、小山さん薫陶の弦楽アンサンブルの透明な響きです。岡山市民文化ホールはややデッドで、残響豊かとは言い難いし、一般にアマ・オーケストラ最大の難関は弦楽器の薄さだと思うんです。

 もう、これは極上の繊細透明なアンサンブルでして、ソロを暖かく包み込んで陶酔のひととき。全体としてゆったりめのテンポで(ハイフェッツが念頭にあったか?)味わい系Beethoven を堪能いたしました。(15分休憩有)

 「フィガロ」序曲は申し分ない躍動感と名人芸〜テンション高い弦と見事なファゴットに注目。小出さん再登場で、Mendelssohnは作品的に(その儚げで甘い旋律が)ソロの個性に似合っていると感じました。もしかして個人的にこの作品ナマ初体験?切なく浪漫的な旋律を、そっと囁くように歌ってくださってエエもんです。

 終楽章、ヴァイオリン・ソロの主旋律にフルートがピタリ!重ねるでしょ?涼しげな表情で、難なく吹きこなしていく技量には驚くばかり。弦のアンサンブルは(小出さんの個性なのか)ていねいに、抑制の利いた表現が素晴らしい。

 アンコールはなかったですね。小さな女の子二人が、舞台下から駆け寄ってきて花束渡してくださって微笑ましい。お客の入りは400名ほどですか?800名ほどの小さなホールだから、けっこう盛会でした。素敵な演奏会ありがとうございました。ご招待いただいた岡山大学のT君(第2ヴァイオリン)は「イケ面で長身、高学歴だからモテるんではないか」と女房が申しておりました。

(2005年6月12日)

 

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written by wabisuke hayashi