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岡山ポリフォニー・アンサンブル(O.P.E.)第20回記念演奏会


2004年12月26日(日) 14:00開演
岡山県早島町「ゆるびの舎(や)」 当日券1,900円

J.S.Bach

クリスマス・オラトリオ B.W.V.248  全6部

坂本 尚史 指揮/岡山ポリフォニー・アンサンブル/岡崎順子(s)/脇本恵子(a)/鏡貴之(t)/小原浄二(b)

 昨年(2003年)12月はヴィンシャーマンの「マタイ受難曲」に参加、ことしも大曲「クリスマス・オラトリオ」全曲です。三時間でっせ。ワタシも短い人生、この名曲をナマで全曲聴く機会もそうはあるまい、と、急病の身(尿路結石・生命に別状なし)でありながら駆けつけました。23名の器楽アンサンブルはゼフィール合奏団及び岡響中心のメンバーでして、オーボエ(他、オーボエ・ダ・モーレとかオーボエ・ダ・カッチャとか初めて目撃)、トランペット、ティンパニ、そしてヴァイオリン、ヴィオラのソロ(というか、声楽ソロにオブリガートする)がこれほど魅力的とは!ポジティヴ・オルガン、ファゴット、チェロ+コントラバス(馴染みの小柄な女性)で構成される通奏低音は全曲出ずっぱりで作品を支えます。

 同好の士(いつもの児島の体操服屋の若旦那)は、学生時代ルネッサンス辺りの合唱を専門にしていたそうで、「アルトの人数が多い。フツウはソプラノのほうが多いのに」「第4部『感謝し、讃美してひざまづけ』〜ソプラノ・アリア『わが救い主よ、あなたの御名は』における、合唱団員のエコーは発声が全然違う。音をそっと出して、当てにいかない」〜など専門的な解説有。ワタシはようわからんが、長丁場なのに、合唱団は最後まで晴れやかな表情なこと。嬉しいんだろうな、稀代の名曲を自ら歌えることって。30名の声楽アンサンブルは朗々として・・・ワタシはとくに男声に有馬さん(団長さん)の美声を感じてしまいます。

 エヴァンゲリストである鏡さん(t)は、爽やかで若々しい味わいがあって、バスの小原さんの声の押し出しにも文句はない。馴染みの脇本さん(a)はいつも通りしっとりとした味わい深く、岡崎さん(s)は小柄なのに、良く通る声で華やか。ワタシはココロより感動しました。演奏会としては少々長すぎたし、さすがに小さい子供さんにはムリがあるだろうけど、それなりに馴染んでいるはずの名曲の真価を、再度教えていただいた、と言う気持ちです。CDを聴いて演奏の優劣を付ける作業の空しさを実感。

 旋律の美しさ〜いつもながらの感想だけれど〜実際は想像よりずっと小さな楽器編成で宇宙の巨大なる広がりを感じさせること。トランペットの妙技、ヴァイオリン(ヴィオラも)の泣かせるソロ(なんども聴いていたはずなのに。CDでは)の魅力。当たり前の話しだけれど、ナマで体験して初めて理解できることが多いんですよ、ワタシのような凡人は。帰宅してから再度CDを聴くと、「ああ、そうか」と。

 岡山県早島町「ゆるびの舎(や)」って、瀬戸大橋線の田圃ばかり田舎にあります。(岡山市からすぐ側〜拙宅からクルマで20分ほど)数百人しかはいらない小さいけど、こぎれいなホールでして、J.S.Bach 「クリスマス・オラトリオ B.W.V.248 全6部」ぜ〜んぶ演って下さる幸運。花のお江戸だってそうそうはないと思いますよ。良い経験をさせていただきました。

岡山ポリフォニー・アンサンブル(O.P.E.)


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written by wabisuke hayashi