カーティス音楽院室内管弦楽団演奏会
2004年3月6日(土)PM3:00〜加西市民会館 2,000円
Vivaldi
ヴァイオリン協奏曲集 作品8 1〜4「四季」
JAMES RA
コンチェルト・グロッソ 第1番
Mozart
交響曲第29番イ長調K.201(186a)
シルヴァースタイン/カーティス音楽院室内管弦楽団
伊達や酔狂でわざわざ岡山からクルマで加西迄。誘われないと絶対行きませんよ。行ったこともない街だし。でも、Mozart は聴きたかったし、道案内もして下さる、ということなので中年男性二人連れの怪しい珍道中、しかも経費節減で行きは高速道路使わずで、ま、なんとかかんとか時間通り到着した加西市民会館って、収録1000人の立派な、音響的にもなかなか!のホールでした。6割5分くらいの客の入りか?兵庫県が教育的な観点で毎年似たようなパターンの演奏者を呼んでいるみたいで、たいしたものです。学生さんのオーケストラですね。20名弱か。
かなり中学生高校生が来ていたから、午前中はレッスンがあったのかな?パンフレットを見るとカーティス音楽院院長のご挨拶が〜って、ゲーリー・グラフマンじゃない。最近見ないね、と思ったらこんなところで教育活動をしていたんですね。シルヴァースタインは言わずと知れた元ボストン響の名物コンマス・副指揮者〜ユタ響のシェフも務めたはず。70歳くらいでしょうか。
演目は客寄せかな?「四季」とはねぇ。てっきりシルヴァースタインがソロを取るのかと思ったら「春」「夏」「秋」と美しいお嬢様が順番交代に演奏して下さいました。シルヴァースタインの「四季」といえば、小澤盤でばりばり装飾音を付けてくださったので、その辺りをおおいに期待したいところ。ところが、じつにオーソドックスというか、謹言実直清潔なアンサンブルというか、教育的配慮というか、正直ツマらないというか、ストレートありきたり演奏でしたね。曲そのものも、熱心に集中するようなものではないかな?(第2ヴァイオリンが右に来る対向配置)
で、「冬」で御大登場。第2楽章で来たいの弾き崩し、自由なる装飾音も出てきてちょっとだけ溜飲が下がった、というところか。楽器がね、きっと学生さんとは全然違うんでしょうね。豊かで暖かい音色でした。
JAMES RA「コンチェルト・グロッソ」〜当然初耳だけれど、これが日本の伝統音楽である笙とか篳篥を連想させるような不思議な幻想に溢れていて(前半)、そのごジャジィなリズムも登場して、ま、題名通りあちこちソロの激しいソロの腕も見せどころ。ま、CDでは買う機会はないだろうが、こういったナマ体験も貴重でしょう。
期待のMozart は、速めのテンポで颯爽と軽やか。暖かいアンサンブルは夢見心地の快感でした。弦楽+オーボエ2+ホルン2の小編成なんですね。それでも音楽の広がりに驚くばかり。音楽に貴賤なし、Vivaldiだって嫌いじゃないが、やはりMozart の音楽って高貴な価値は一段と高い、せっかくの名手シルヴァースタイン来日なんだからK.216のト長調協奏曲でも演って下さったら嬉しいのにね。アンコールはPaganiniの常動曲。ヴァイオリン、ヴィオラは立ち上がって楽しげに。
なんかとても寒くって、途中ちょっとだけ雪もちらつきました。帰りは高速で一気に帰岡。クルマは駐車場に預けて、ワタシのめでたくない誕生祝いを中年男性4人で暗く、楽しく、おいしく祝いました。しこたま飲んじゃった。(2004年3月7日)