川崎医大室内管弦楽団31回定期演奏会2003年10月26日(日)PM2:30〜倉敷芸文館ホールにて
Handel (ハーティ版) 組曲「水上の音楽」 河田 文忠/川崎医科大学室内管弦楽団/伊豆丸 健(tp) 当日券500円。 この演奏会はどこかでちらりとポスターを見ただけで、演目やら、開始時間やらがわからなかったんです。川崎医科大学室内管弦楽団のサイトも消えてしまったみたいで、知り合いのOBの方も「今年は連絡が来ていない」・・・とのこと。やっと会場(芸文館)で確認していただいた方からの連絡により、演奏会に駆けつけました。 小さい会場だけど、このホールの響きは適度な残響と、響きに芯を感じさせて気に入っております。200人くらいかな?観客は。 いつもいつも思うんだけど、河田先生の指揮って素晴らしいと思う〜「指揮者は手を弛めないんですよ。テンポは速め、技術のために造形を犠牲にしない」(2002年第30回記念演奏会の感想)正直、技術的にはかなり厳しい学生さんのオーケストラなんだけど、「この音楽はこうあるべき」という主張が明確、思いと指示が眼前にちゃんと提示されて、驚くばかり。 ハーティ版の「水上の音楽」って、いまや録音自体も珍しいし、室内管弦楽サイズによる演奏でも、現代の感覚ならかなりの大規模で豊かで・・・そう思えます。キモはホルンでしょ?トレーナーの杉本さん(岡山交響楽団の指揮者でもある)自ら出演され、アンサンブルを押さえます。ああ、オーボエがちょっと厳しいなぁ、なんて思った瞬間、昨年の演奏会の思い出がよみがえりましたね。 「盛大なミスとピッチを外しまくったオーボエ君の肩をポンっと叩いて・・・・・良い風景だなぁ。オーボエ君、今頃涙に暮れながら酒でも飲んでいるかも知れないが、そんなに若くしてBrahms のトップを取るというのは光栄なことなんだよ。キミの努力は観客全員が理解していて、ココロから応援しておりました。」〜ああ、彼は一年間頑張ったんだ。なんか、ココロがほっこりするような、久々に親戚の息子に出会ったような、そんな懐かしさでした。 表現的には、最近まず見られない優雅で大柄な表現が快い。浪漫的、と評しても良いくらいかな。同行の「児島の体操服屋の若旦那」が「ワタシ、昔からサージェント盤が好きなんですよ」と嬉しそうにしておりました。 お次のトランペット協奏曲もよく知られている作品。弦のみ計20数名にバックを減らしているが、チェンバロにコントラバス一本+ファゴット二本追加して、通奏低音を強化しております。これも最近(少なくとも録音では)見られないスタイルだけれど、ナマの演奏会ではじつに効果的。このパートがじつに達者。(ファゴット上手いっすよ、学生さん) 伊豆丸さん(ピッコロ・トランペット?)は、もの凄い高音の伸びと、豊かで明るい音色が美しい。こうしてみると、このオーケストラは弦がしっかりしてますよね。
休憩後、馴染みの「時計」。よく知った曲だけれど、おそらくどんな有名なる録音を凌駕して、新しい発見がありましたね。フルートが活躍(シンプルなリズムの繰り返しの中で、旋律が自由に遊ぶんです)すること。終楽章の「フーガ」はMozart に負けない魅力的、かつ完成度の高い音楽であること。 演奏は、トランペット+ティンパニ(いつもお馴染み、動き少なく要所をピシリと押さえる赤沢さん〜OBなのかな?)がリズムを明快に示してして引き締めます。やはり、昨今のHaydnとしては「ずいぶんと豊か」な味わいで、ひからびた学究的スタイルとは一線を画します。コレ、ナマで聴くとけっこうたまらない。 河田さんは、大づかみに全体の構想を示して、細部のミスは曲想全体に影響を与えません。ここぞ、というときには、そのパートに詳細な指示を出して「そのパートに自覚を与えている」ということも(客席から見ていても)よくわかります。〜結果、少々テンポが落ちるのも納得。 アンコールはFaureの組曲「マスクとベルガマスク」〜ガヴォット。卒業生も皆、参加されたのでしょうか。幸せな響きが会場を埋めて下さいました。(招待しろ、とは言わないが、ちゃんと演奏会の連絡はちょうだいね。2003年9月28日)
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