岡山ポリフォニー・アンサンブル(O.P.E.)第19回演奏会
2003年10月5日(日) 16:00開演 パーセル 「メアリー女王の葬送の音楽」
女から生まれた男は短い人生しか与えられなかった 日下 不二雄 指揮(混声四部合唱+リコーダー4本+パーカッション) テレマン ファゴットのためのソナタ ホ短調(原曲はヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ) 奥野倫世(fg) 山本栄子(cem) 二本のリコーダーのための無伴奏ソナタ第6番 より 岩谷幹雄/奥井伸二朗 ルネサンス世俗曲
パヴァーヌとガリヤルド(ファーレーズ) リコーダー3本+パーカーッション+上山摩希子(ヴィオラ・ダ・ガンバ) ゼレンカ マニフィカト ハ長調 鈴木順子(s) バッハ カンタータ第161番「来たれ、汝甘き死の時よ」 脇本恵子(a) 有馬雄二郎(t) 坂本 尚史 指揮/器楽アンサンブル(12名)/混声四部合唱 岡山ポリフォニー・アンサンブルの方々は、今年12月ヴィンシャーマンの「マタイ受難曲」に参加されるとのことで、いつもより2ヶ月早い定期演奏会の開催。ちゃんとご招待をいただきました。正直、ルネサンスの音楽はワタシの縄張りではないけれど、ナマでこんな貴重な音楽を楽しめるなんて無情の幸福でしょう。 会場は、いつもワタシがCDを借りる幸町図書館5階。300人くらいですかね、小さなホールは満員でした。すぐ手が届きそうなところで、脇本さんや有馬さんの美声が楽しめます。チェンバロの現物を初めて見たのもO.P.E.の演奏会でした。リュートもね。きょうはヴィオラ・ダ・ガンバ初体験。ポジティヴ・オルガンだって、こんな演奏会がないとそうそうは見られない。 ルネサンス音楽を云々する知識も技量もありません。パーセルの合唱が始まったら、ああ、この男性合唱部は有馬さん(団長)の朗々とした甘い声が全体に浸透しているじゃない。あまりに気持ちよくて、ついウトウト・・・ごめんなさい、休日出勤の仕事帰りだったもので。あとはちゃんと集中して聴きました。 奥野さんのファゴットはたいへんな技量ですね。ユーモラス音色がもの哀しい。山本さんのチェンバロのかそけき響きも幽玄〜CDで聴いていると、もっと華々しい効果を想像するが、もっとデリケートで狭い会場ならでは効果であることを再確認しました。 テレマンのソナタも難曲なんでしょうか。素晴らしいアルト・リコーダー二本の絡み合いが終了すると、演奏者の溜息ひとつ〜(けっこう受けてましたね)。「ルネサンス世俗曲」では「ガンバ」登場。たしかチェロとは調弦が異なるし、エンド・ピンがないので「膝(ガンバ)」で挟んで演奏するんですね。(なんか苦しそう?)ヴィヴラートを使わないし、弓の持ち方、形状も違います。音量もずいぶん少ない。 休憩後、ゼレンカを〜ああ、この辺りはもう馴染みだね。この愛くるしい旋律、鈴木さん大活躍で、これはまるでコロラトゥーラ・ソプラノ並の声のころがりよう。アンサンブルの面々はほとんどお馴染みで、コントラバスは岡響でいつもお会いする「無口な永作博美」じゃないの。 大バッハの合唱を伴う作品は、けっこうナマで聴いてます。これもO.P.E.のお陰。「来たれ、汝甘き死の時よ」では、オーボエが「マタイ」の有名なコラール旋律を歌うんです。ワタシ大ファンの脇本さん登場〜と、いうか、アルト(カウンター・テナー)が大活躍しますからね。いつも通り声も姿も(余 喜美子さんに似ている)素敵。有馬さんもいい男だな。 バッハの作品は、ソロの歌い手が自分の持ち番を終えると合唱団のなかに戻るでしょ?あれ美しい風景ですね。嗚呼、ことしも急ぎ足で過ぎ去っていく。(拙文掲載後、ごていねいにメールをいただきました。「持ち番を終えると合唱団のなかに戻る」〜というのは必ずしも一般的な風習ではないと。バッハ好きなソロイスツ達が、自ら望んで・・・という説明でした)
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