チェロ(井伊準)とピアノ(河合知香子)によるジョイント・リサイタル
2003年9月13日(土)PM6:30〜岡山市西川アイプラザ・ホール Reger 無伴奏チェロ組曲 作品131 Schubert 即興曲 作品142 第1番ヘ短調、第4番ヘ短調 Faure パピヨン Dvora'k チェロ協奏曲ロ短調 作品104より第1楽章
<アンコール> 井伊準(vc)河合知香子(p) 西川アイプラザ・ホールは二百数十名しか入らない小さな会場です。職場ご近所の図書館の上にあって、こういう小さいホールの演奏会って好きなんです。演奏者がすぐそこにいらっしゃるでしょ。200名は入っていたかな。井伊君って高校二年生だそう。ウチの息子より年下。10歳からチェロを始めたとか。 結論的に先に言っちゃうと、まったくもの凄い。テクニックにまったく不安がない。不安がない、どころではなくて、抜くところ、朗々と歌うところ〜「こどもの演奏」の範疇には入らない表現の域に達しておりました。プレリュードとフーガのみの二楽章。三曲あるうちのどれだろう?CDは探せば手許にあるはずだけれど、旋律に記憶がありません。(確認!第1番ト長調の前奏曲とフーガでした) 細かい音型をスムーズに、囁くように開始し、やがて音楽が見えてくる〜ああ、こりゃBach だ。ずいぶん現代的にテイストになっているが、Bach の霊感がちゃんと木霊(こだま)していて、ナマだと難解なRegerもちゃんと音楽の姿を明快に現すもの。いや、すばらしい技術だね。 つぎは河合さんのピアノだけど、楽器はYAMAHA(小さめのグランドピアノ)〜高音が少々刺激的でしょうか。彼女はもう大学(広島大学教育学部とのこと)を出ていらっしゃるが、やはり若い。即興曲のなかでも、地味で劇性の強い作品を選んでいるようで、正確な強靱な打鍵が迫力でした。聴き手であるワタシは少々緊張感を強いられましたね。 「パピヨン」は初耳の作品だったが、これも相当の技量が必要とされそうな作品。井伊君は難なく弾きこなして、トリは名作Dvora'kですよ。河合さんの伴奏が始まると、ノーミソのなかでピアノが管弦楽に自動変換されました。チェロは豪快、というより繊細な味わいを感じさせ、技術的にもまったく問題はない・・・・あとは年齢を重ねれば、ちゃんと色気も付いてくるでしょ。 チカラをふっと抜いて優しく歌うワザ、ゆっくりとした美しい旋律をとことん響かせる表現の大きさに圧倒されました。河合さんのピアノはまさに管弦楽を連想させる包容力有。ナマで聴くとますます「嗚呼、コレ名曲だね・・・」との感慨深いものです。 アンコールの「白鳥」「愛の挨拶」の美しさ完璧。凄い若手が出てくるもんだね。
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