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岡大響2001サマーコンサート


2001年7月7日(土)PM6:30〜岡山シンフォニー・ホール

Sibelius
交響詩「フィンランディア」

指揮 秋山 隆

Brahms
ハイドンの主題による変奏曲

Dvora'k
交響曲第8番ト長調

保科 洋/岡山大学交響楽団

チケット代700円(前売券)

 「石の上にも3年」と、古からの言い伝えもあるように「岡山在住も3年目」〜日頃の飽くなきHP掲載の努力も実り、今回は演奏会をご一緒して下さる人も出てきました。一人はHP読者で岡山県は児島から駆けつけたKさん(うんとやさしい安部穣二風。もしくは寺神戸亮風でもある)と、岡大響OBで現岡響の現役演奏家の女医さん(有森裕子を彷彿とさせる)。孤独なクラシック音楽三昧も、仲間がいると嬉しいもの。

 お客はいっそう増えていて、1,300人では治まらないはず。盛況でした。いつもながら当然若い人も多く、服装がラフなのも良い感じ。カップルがデートで来ているのも散見されました。皆、マナーも良かったですよ。選曲も素晴らしくて期待に胸ふくらむ思い。

 「フィンランディア」は、サブ・コンダクター秋山さん(じつはお医者さん)登場。ワタシ、いつも勝手に「コンサートの最初の曲は調子が出ない」なんて好きなことを言っているが、じつは若手も含めて出来るだけ参加させようという配慮から来る結果もあるそうです。

 ヴィオラが右側、チェロが中央という特異な配置でした。(結果、ヴィオラがじつはあちこちで活躍しているのを理解)予想外に厚みのある響きで、(もともとがちょっと泣かせる音楽でもあって)ジ〜ンと来ます。CDで聴くと理解できないが、トライアングルの存在感が際だちます。これこそナマの醍醐味。中間部の有名なやさしい旋律では、指揮の秋山さんは腕を止めて音楽に聴き入っておりました。

 フルートがその旋律を奏でるのは誰でも知っているが、大太鼓が静かにトレモロを付けているのは新しい発見。やや叙情的な表現だけれど、金管の迫力も充分でした。ラスト、弦全員がさっと弓を上げて終わるところがカッコウ良いこと。

 ところで、学生オーケストラだから当然メンバー・チェンジしていますよね。今年のコンマスは、医学部のヴィジュアル系色男で、女子大生にはそうとうな人気と踏みました。そのまま、トレンディ・ドラマに出演してもやっていけそうな雰囲気を持ちながら、しかも腕は良いんです。(嗚呼、うらやましい。天は二物も三物も与える、こともある)

 「ハイ・バリ」は、CDで聴いているとなんてことはない曲だけれど、実演に接すると驚異的な名曲、というか、凝りに凝った作品であることに気付きます。同行の(やさしい)安部穣二氏は「難曲なので、アンサンブルは乱れたが、逆にピタリと合ったときの美しさは超絶」と評しておりました。ナマで初めて発見する名曲の価値。

 この曲、パターンが多彩で、各パートが独立して演奏することが多くてゴマカシが効かないみたい。いわば、バルトークの「オーケストラ・コン」並か。冒頭、緊張したオーボエの方がミスってしまったが、そんなこと気にするな!思い切ってチカラ強く演奏すれば、その感動は観客にちゃんと伝わるんです。(先輩筋の岡響だって、盛大に音を外すこともあるぞ・・・って、スマン)

 ドヴォルザークはほんとうに旋律が美しい。フルート(終楽章の長いソロ、ご苦労様)とホルンは立派。金管の迫力も充分。トランペットのファンファーレもピタリと決まりました。でもねぇ、今回は弦でしょ。こんなに瑞々しく、よく歌って(保科さんは、歌いたいところを思い切ってテンポを落とすんですね)厚みのある弦は、久々に聴いた思い。第2楽章の(例のヴィジュアル系)コン・マスのソロも極上の美しさ。

 第1楽章の推進力、第2楽章の切々とした歌、有名な第3楽章の泣けるような節回し、そして終楽章の堂々たる歩みと爆発。今回は(とくに手前のお姉さんのノリに敬意を表して)、ヴィオラの細かいワザの発見がありました。録音ではほとんど聴き取れない、さわさわとしたバックが効果的でした。ちょっと食傷気味だった「ドボッ八」を久々に堪能した、というか、こんな美しいアンサンブルで聴かせてくれるとは、なんとありがたい。


 ところで演奏者及び関係者のみなさん。コッソリと、ワタシのHPを見ていただいているとのウワサを聞きましたよ。だったら、反論とか、文句とか、それくらい下さいよ。ワタシは一人孤独に当日執筆しているんだから。抗議のメール宛先はこちら。

(アンコールをお忘れでは、との指摘に)ワタシの大好きなスラヴ舞曲第1番。中間部でたっぷりとテンポを落としてくれて、チカラ強いノリには脱帽。そういえば、チューバって難しいんですか?ずいぶんと骨太に活躍されていました。


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi