「コンサートへ行こう」へ

岡山ポリフォニー・アンサンブル(O.P.E.)第16回演奏会


2000年12月3日(日) 16:00開演
岡山市西川アイプラザ  1,500円

パレストリーナ  ミサ「デ・ベアタ・ヴィルジネ」
モンテヴェルディ  「愛する女の墓に流す恋人の涙」より

(以上、無伴奏混声合唱団による)

歌と器楽によるルネサンス小曲集
・サリーガーデン
・愛の神よ(以上、古金千枝さんの歌。リュート伴奏)

プレトリウス 「テレプシコーレ舞曲集」より
・6曲(アンサンブルによる)

バッハ「マニフィカト」BWV243a

坂本尚史さん指揮/器楽アンサンブル/混声合唱団

 西川アイプラザといえば、ときどきお邪魔する図書館(CDを無料で借りられるところ。職場のすぐ近くなんです)の最上階のホール。250人くらい入るこじんまりとした会場で、後から考えれば、このような音量の小さな曲にはピッタリでした。選曲が渋いでしょ?なかなかナマでは聴けないかも。ほぼ満員だったから、年に一回とはいえ、たいしたもの。この団体自体の説明はパンフレットにはなくて、プロなのかアマチュアなのかはわかりませんでした。

 パレストリーナって、1500年代ルネッサンス時代の人でしょ?もしかしたらCDも(棚を探せば)あるかもしれないが、ま、そんな感じ。まずフツウなら自らすすんで聴こうかとは思いません。退屈というか、シンプルすぎるといか、ずばりまったく言葉がわからないというか。(ごていねいに原文、訳文も下さったが、要はするにワタシが幼稚園に行っていたときに丸暗記した聖書ですな。違うかな?)

 つぎのモンテヴェルディと併せて「ア・カペラ」〜つまり伴奏なしの混成4部合唱なんですね。山下達郎の「ア・カペラ」も最高だが、OPEのアンサンブルも負けていません。言葉の意味もなにも分からないが、えも言われぬ透明な声の絡み合いに痺れました。30分を越える至福の時間。あまりの快感に目をつぶって瞑想しそうになるくらい。指揮は白髪が素敵な坂本尚史さん。

 パレストリーナより少々あとに登場するモンテヴェルディだって、そうそう聴く機会はありません。さきほど、バス・パートの右端で堂々たる体躯を揺らせて歌っていた日下不二雄さんが指揮をします。ここ、重要なポイントで、OPEのみなさんはマルチ・プレイヤーなんですね。あちこちで顔を出す人がいるんですよ。おそらくCDで聴いたらパレストリーナもモンテヴェルディも、そう違いはわからないと思うんですが、実演では多彩さが加わっているのが理解できます。(でも、最後にバッハを聴いちゃうと仰け反ります)

 それと、パレストリーナが宗教曲で、モンテヴェルディが世俗曲でしょ。服装を替えているんですよ。男性はタクシードに替えてセーターを、女性は着替えるのがたいへんなので鮮やかなスカーフを付けていました。(ここまでが実際上第1部)

 舞台は変わって、9人くらいの人々が椅子に座ります。ポジティヴ・オルガンも登場。リュートは初めて現物を見、聴きました。(田之村さん)繊細で、音量は小さめで味わい深い音色。古金さんのメゾ・ソプラノも静かな雰囲気。(むかし、ダンスリーというバンドがあったでしょ?あんなかんじ)「テレプシコーレ舞曲集」は、通常弦で演奏される機会が多いようだけど、ここではリコーダー、リュート、ハープ、オルガン、ほか太鼓、タンバリンで演奏されました。

 木製のリコーダー(なんかいろんな種類の楽器を持ち替えていました)を見たのも初めて。ハープというのは小さな膝に乗るやつで、ゴージャズな例のドでかいものではありません。演奏する奥野倫世さんがすごいマルチプレーヤーで、クリムホルン(これリコーダーの親玉のこと?違いました。曲がったおもちゃみたいなもの)も演奏していたし、最後の「マニフィカト」ではファゴットを担当しておりました。リコーダーはフルートの人。(技巧が素晴らしい)

 太鼓や鈴、タンバリンを叩いていた(これ、ナマで聴くとほんとうにハッとします。オーディオでは再生できない)ふたりは、じつはさきほどの合唱団のメンバーなんですね。タンバリンの藤井隆志さん(先頃紅白出場を決めた、吉本の若手芸人を連想させる)は「マニフィカト」ではソロを取るんですよ。「テレプシコーレ舞曲集」は、親しげで楽しくてCDが欲しくなりました。

 休憩を挟んで、本命「マニフィカト」。ん?もしかしてナマBach は初めてか。アンコールで「G線上のアリア」を聴いたくらいかな?オケが全員で20名なんですね。(含むチェンバロ、オルガン。残念ながら現代楽器。しかたがないか)合唱が33人くらいだから、合唱のほうが多い。よく知っている曲だし、劇的効果に満ち、多彩で美しい音楽に打ちのめされます。最高。(4曲のクリスマス挿入歌入)

 ソプラノ・ソロの藤井さんも岡野さんも素敵だったが、テナー有馬さんの美声には参りました。(団長さん。往年の人気グループ「東京ロマンチカ」の美男リード・ヴォーカル三条正人に似ている)アルトの脇本さんの深く、上品な歌がまた、たまらない魅力。いわば若い頃のイメルダ婦人を連想させる容貌、堂々たる気品に溢れておりました。

 ワタシは右端に座っていたせいもあって、チェロ、バス、ファゴット、チェンバロ、オルガン(通奏低音ね!各ひとり)の複雑で、効果的な動きに感心しました。オケは人数が少ないながら、フルートやオーボエのオブリガートはホントに楽しい。合唱の親密で、精密なハーモニーを堪能しました。先日聴いた「第九」の大合唱団の迫力も充分堪能しましたが、また味わいの違う楽しみでした。

 オーケストラの演奏会ばかり聴いていると、どうしてもレパートリーが偏りがち。これは歯ごたえのある演奏会でした。年一回の演奏会が楽しみです。


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi