川崎記念管弦楽団第4回演奏会2001年12月9日(日)PM 2:00〜岡山テルサ・ホール 入場無料
Mozart 歌劇「フィガロの結婚」序曲 K464 Mozart 交響曲第39番 変ホ長調 K543 河田 文忠/川崎記念管弦楽団 昨年も川崎記念管弦楽団で一年を締めくくった記憶がある。倉敷にある川崎医大室内管のOBオーケストラだそうで、ワタシが細々とHPに掲載しているのを発見してくれたらしくて、数人からメールでのお誘いもいただきました。これで3回目のおつきあい。テルサ・ホールというのは初めてで、少々交通の便が悪いんです。山の中というか、車でしか行けないようなところ。でも、ワタシのマンションから車で30分くらいだから、近いと言えば近い。 400人くらいのこじんまりとした、しかし立派で新しいホール。音響もなかなかでした。選曲がね、素敵なんですよ。Mozart はワタシの心のふるさとだし、苦手Beeやんもヴァイオリン協奏曲だったら、何度聴いてもやすらいで気持ちが良い。楽しみにしていた演奏会は、200人くらい入ってくれました。 躍動感・命の「フィガロ」序曲。こんなウキウキするような名曲、滅多にありません。お医者さんを中心に、医療関係のお仕事の方々でしょ?ワタシにメールをくださった方々も地元岡山在住ではありませんでした。あちこちでお忙しくされているけど、音楽のへの思い止みがたく、年一度の発表のために参集されている情熱。技術云々じゃないんです。早すぎず適正なテンポで、アツき思いがいきなり伝わるような、リズム感豊かな演奏でした。ファゴットの音色が耳から離れない。 ソロの村上さんの演奏を聴くのは2度目でした。ティンパニから始まるでしょ?あとのMozart もそうだけど、これがじつに効果的なんです。一見フツウの主婦風で、淡々と地味目にたたいていらっしゃるが(昨日の岡大響の若者とは正反対)「能ある鷹は爪を隠す」の極意か。うん、名人芸。 優雅でよく歌うヴァイオリンは、気持ちがいっそうよろしい。楽譜を見ながら演奏する村上さんには、楽曲に対する虚心な思いが感じられました。(ワタシは昨日に続いて風邪薬を服用し、発熱もあって気持ちよく眠くなってしまって困りもの)わずか30名ほどのバックだけれど、ちゃんとBeethoven の雄大な世界を表現できるのに感心するばかり。そりゃ、CDで聴く一流の木管みたいにはいかなくて、音がひっくり返ったり、濁ったりするけどナマならではの感銘に溢れてました。
休憩中、缶紅茶などいただいて体調と気分一新。もちろん第39番はナマ初体験でした。オーボエなし、クラリネット2本、フルート一本なんですね。そのフルートがのびのびとしていて、響きが爽やかなんです。河田さんの指揮ぶりは全身でリズムを表現していて、メリハリが強烈。流したような「上手いけど、手慣れた仕事」みたいなものとは無縁の「やる気充分・入魂」の演奏なんです。 先日の川崎医大室内管の「プラハ」もそうだったけれど、全部繰り返してくれて、Mozart の魅力が2度おいしい。(先日の「プラハ」は、じつは第2楽章は繰り返していなかったそう〜教えていただきました)編成の小さい大きいを越えた、音楽の偉大さを痛感します。弦は以前より薄さを感じなくなったし、ますます腕を上げていますね。 メヌエットは2本のクラリネットの腕の見せどころ。ここでのリズムもハズんでいて、圧倒的。クラリネットは緊張のあまり少々ミスがあったが、そんなこと気にすることないんです。(ちゃんと思いは会場に伝わってますよ)終楽章は、怒濤の勢いが最高潮で、繰り返しで河田さんがあわてて譜面をめくり戻すのが微笑ましい。 アンコールは、ルロイ・アンダースンの粋な「ブルータンゴ」(だと思う)。なんか、会場の空気が一気に和らぎました。演奏が終わって、メールをいただいた方々にご挨拶だけして帰らせていただきました。これで、なんとなく一年のけじめが付いたような、そんな気分でしょうか。
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