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岡山バッハカンタータ協会
「ライプツィヒ聖トーマス教会演奏会・帰国記念コンサート」


2001年9月7日(金)PM7:00〜岡山シンフォニー・ホール

ま、当日の雰囲気のみ。 Bach

モテト「主を讃えよ、すべての異邦人よ」BWV230
カンタータ「主よ、汝の眼は信仰を顧みたもう」BWV10
カンタータ「わが幸に心満ちたり」BWV84
カンタータ「飢えた者にパンを割き与えよ」BWV39

佐々木直樹(b)矢内淑子(a)松本敏雄(t)岡崎順子(s)脇本恵子(a)出口裕子(s)
岡山バッハカンタータ協会/岡山バッハカンタータアンサンブル/佐々木正利(指揮)

チケット代3,500円、だけれどK氏からメールが来て、ご招待いただいたもの。せめて、と200円のパンフを買いました。

 たいしたもんですよね、アマチュア合唱団が本家・聖トーマス教会で演奏会を開いて(2001年8月11日)好評だったそう。この団体はヴィンシャーマンと組んで「マタイ」「ヨハネ」「クリスマス・オラトリオ」の国内演奏会を行っているし、それはCDで売り出されているから相当の実力派であると期待しました。(残念ながらワタシは未聴)

 当日は1200人くらいの聴衆か。客筋はいつになく硬派っぽくて、気骨ある表情が多い。(軟弱なのはワタシくらいか)多いといえば、圧倒的な花束の量も凄い。そして女性の比率も。意外と、若い茶髪系の女性なども散見され、これは母親、または父親の応援でしょうか。ワタシは、仕事に疲れ果てようやく会場に駆けつけました。

 ちゃんと曲名を確認しなかったため約60名の大合唱団登場後、オケが右のほうにチョロリと4名のみで「?」状態。チェロ、コントラバス、ファゴット、ポジティヴ・オルガン〜いわゆる通奏低音(現代楽器)ですな。ああそうか、モテトだったのね、なんて思っている間に、和訳わずか4行の「主を讃えよ」が開始。

 これが凄い。ま、なんでも音楽はナマに限るが、とくに声楽の迫力は筆舌に尽くしがたいもの。当たり前の話しだけれど、眼前で人間が自らの肉体から発する音の振動・空気の波のたしかさ。女声・男声は思い思いにカラダを揺らせ、表情豊かに、こころからBach の旋律に酔いしれます。そう、物理的な歌だけではなく、AURAもいっしょに飛んでくる。

 わずか4名のオケも、充分なスケールを感じさせるマジック。この曲、「アレルヤ」の部分をアンコールで再演するんですが、佐々木さんの配慮で弦も管も加えてくれました。でも、原曲の編成でもなんら遜色なし。

 2曲目「主よ、汝の眼は信仰を顧みたもう」BWV10は初耳だけれど、Bach の(ちょっと悲しげな)旋律に魅了されます。ソロは団員が兼ねていて、堂々たるソロぶりで文句なし。器楽アンサンブルにはオーボエもフルートも入るが、きっとプロの方達なんでしょう、技術的に不安なところは微塵もありません。

 休憩後の「わが幸に心満ちたり」BWV84は、ソプラノ・ソロなんですね。岡崎さんは、はっとするくらい素敵な〜上がキラキラの銀、スカートは明るいスミレ色のドレス〜で、彼女が登場すると、先の若い茶髪系の女性が小さな歓声を上げていました。男声群は、全員同じタクシードに蝶ネクタイだけれど、女声群のフォーマル・ドレスはひとりひとりデザインが違うし、岡崎さんみたいな晴れ着が美しかったりで、うらやましい。(冴えないおじさんより)

 この曲は良く知っていて、やはりこれも悲しくも美しい旋律。ソロは表情豊かに、よく伸びる高音。もちろん、オーボエのオブリガートが絡む歌も素晴らしいが、バックの広がりがなんともいえない。ソロ・ヴァイオリン、オーボエ、そして通奏低音のみのバックは明らかに室内楽サイズだけれど、Mahler のフル・サイズ・オケに匹敵する奥行きを感じます。

 「飢えた者にパンを割き与えよ」BWV39は初めて聴いたが、この内容は題名から想像したとおりのもの。オーボエ2本に、フルートも2本で今回の最大サイズなんです。ここでアルトの脇本さんは昨年の「岡山ポリフォニー・アンサンブル」の演奏会でも聴いていて、深々とした声質がお馴染みでした。

 ソロの部分が終わって、合唱部分に入ると全員椅子から立ち上がるでしょ。その気配、緊張感が伝わってきて、これはCDなんかじゃ味わえない臨場感でした。いつもいつもBach を聴いているようなお客ばかりではないと思いますが、人間の声が本来持っている圧倒的な説得力に皆感動したことと思います。


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi