岡大響2000サマーコンサート2000年7月8日(土)PM6:30〜岡山シンフォニー・ホール
リスト 交響詩「前奏曲」 保科 洋/岡山大学交響楽団 チケット代800円(当日券) そうか・・・去年のサマーコンサートからもう一年経ったんだなぁ。コンサートの日程は手帖にメモしていたけど、前売り券を買うヒマもなく、当日を迎えてしまいました。 演奏会としてはなかなか楽しいものでしたが、苦言を二点ばかり。まず、エアコンききすぎ。やや肥満気味のワタシでも風邪ひきそうだったから、おとなりのお姉さんたちは鼻水をすすっておりました。3歳くらいの女の子はくしゃみを数回。 それと、その女の子のことだけど、ご両親にはまことに申し訳ないが、演奏会には無理なんじゃないのかな。ご夫婦で音楽会に行きたい気持ちは痛いほどわかるが、こどもがおしゃべりしたり、水筒をいたずらするのは目に見えているし、後ろにいたワタシは気が気じゃない。とうとう休憩時に席を替わりました。(こどもはかわいい!でも・・・) リストの「前奏曲」。リスト嫌いのワタシとしては「愛の歌」「ラ・カンパネルラ」と並んで、数少ないお気に入り。聴きどころは金管の迫力と、中間部以降に出てくるチェロの美しいソロ。想像以上に実演向きの、演奏効果の高い曲で、楽しみました。ラストに出てくる4人の打楽器が凄い。とくにシンバルのカッコウ良いこと。あの輝かしい響きは、どんな高級コンポでも再生不可能でしょう。(想像だけど) ドビュッシーの「小組曲」は、ワタシこども時分からのお気に入りです。こんな夢見るような美しい旋律は滅多にない。ビュッセルの編曲は、まったく自然で「展覧会の絵」の人工的で華麗なオーケストレーションとは、ある意味対極的でしょう。冒頭フルートの、心に染み入るような音色は学生さんには期待できないけれど、それでもゾクゾクするくらいメルヘンいっぱいな感じ。 「前奏曲」にも登場しておりましたが、ハープの気高い、控えめな旋律がとても気になる。「気になる」というのは惚れた、とうことであって、ずっとそのお姉さんを見ておりました。(学生さんではなくて、応援みたいです)バレエで、またまた打楽器が総出演するんですが、トライアングルとタンバリンが鮮やかな効果を上げていて、これはCDでは味わえない発見でした。 (休憩後、3階に移動) 「発見」といえばベートーヴェンでしょう。全9曲中もっとも人気の低い第2番、しかも手元には何枚のCDがあるかわからないくらい、たくさん聴いていました。でも、なんか初めて曲の「ツボ」みたいのが見えた気持ち。 第1・3・4楽章は、弾むようにリズムにのって演奏しなくちゃいけなんですよ。Mozart やHaydnがそうでしょう。まずリズム。中後期の曲みたいに「重厚」じゃいけない。冒頭からそうとうノリノリでしたし、最終楽章の勢いがとても良かった。(スケルツォは、もう少し元気があってもよかったけれど) 第2楽章の旋律の魅力に目覚めました。最初、弦だけで始まりますが、これが練り上げられたハーモニーで極めつけ。ナマじゃないと発見できない美しさでした。 いつものことながら、曲が終わって即失礼しました。いや、寒くて。だから、アンコールは聴いていません。
お勧めCD リスト 「前奏曲」〜プラッソン/ドレスデン・フィル(Berlin Classics BC1095-2)じつはこれしか持っていない。演奏も良いけど、プラッソンの不気味な顔のジャケットが秀逸。 ドビュッシー 小組曲(ビュッセル編)〜アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団(FIC ANC-155〜海賊盤ですみません)パレーのCDを持っていたつもりで、じつは手元になかったのですが、アンセルメのも悪くない。もう雰囲気たっぷり。 ベートーヴェン 交響曲第2番ニ長調〜この演奏会で目覚めたので、新しい価値観で探さなきゃいけない。で、なし。ウチに帰ってカザルスのを聴いてみたけど、立派な演奏に間違いはないが、なんか違う。 (2000年7月9日更新) その後、「小組曲」はやはりパレーのが出てきました。(MERCURY 434 306-2)文句なし。
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